「桃太郎の話」

peachR子さんが、初めて「きらら館」にお見えになったのは3年前。階段で転んだご主人のお母様の健康についての相談でした。

「大丈夫ですよ。元々、健康な方ですし、あと4ヶ月もすれば杖なしで歩けるようになりますよ。それまで十分に労わって上げてください」

事実、鑑定通り、3ヶ月ちょっとでお母様は、以前にも増してしっかりした足取りで歩けるようになったばかりか、それまで以上に嫁姑の関係も良化。以後“茶飲み話”方々?2~3ヶ月に一度の割合で、足を運んでくれるようになったのですが、最近の話題は、専ら幼稚園と保育園に通う2人のお孫さんのことばかり。先日も、こんな内容の相談でした

R子さん「昨日、上の孫が『おばあちゃん、桃太郎のお話知ってる?』って聞くので、『うん、知ってるよ』って答えたら、『どうして柿とか、蜜柑じゃなくて桃なの?』って聞くんですよ。思わず『桃だから桃なんです』って答えたんですけど、憎たらしいことに『知らないからそんな言い方するんでしょ』って馬鹿にしたような顔で言うんですよ。もう悔しくて…。名誉挽回のためにも、何とか『桃』の意味を知りたいのですが、きらら先生はご存知ありません?」

これまで色々な相談を受けて来ましたが、さすがに「桃太郎」についての質問は初めてです。

きらら「う~ん。桃太郎の『桃』の由来ですか?――そうねえ、私の考えでは、古来、桃の木っていうのは、邪気を払うって言われてて、加持祈祷に使われていたと聞いたことがあるけど、多分そこから来ているんじゃないかしら。山伏などの修験者が、悪魔を調伏する時に手に持っているのは桃の枝だし、悪霊に打ってかかる際の杖も桃の木よ。でも小さいのに、大人が深く考えないことに疑問を持つなんて凄いわ。そんな感性を大事にしてあげなきゃ」

R子さん「なるほど。桃太郎の桃には、そんな意味があるんですね。知らなかったわ。私自身、子どもの頃から漫然と『桃太郎は桃太郎』と思ってきたけど、そんな深い意味があるんですねえ」

きらら「それに『桃源郷』とう言葉があるように、桃の花は男女を問わず、すべての人間の心に作用して馥郁たる気配を充満させると言われているから、幸せを運んでくれる木ということで、桃太郎になったんじゃないかな」

R子さん「納得させられる解説ですね。――よし、今夜は私を馬鹿にした憎たらしい?孫に早速、“講義”してやらなくちゃ(笑)」

きらら(7/16)