「恐るべし、亀の甲より齢の功!?」

varwwwclientsclient1web2tmpphpPT9Lmm「先生、こんにちは~!」

隣りの部屋はおろか階下にまで聞こえそうな大きな声です。

あの声は、Aさん?

案の定、赤ちゃんを抱っこしたAさんです。

Aさん「ご無沙汰で~す!はーい、Kちゃんですよ~。初めまして!」

きらら「あらあら、可愛くなって!」

Aさん「来月で7ヶ月になります。先生に命名して貰ったお蔭でスクスク育っています。ねえ、Kちゃん」

Kちゃんの名前をどうするかで、離婚する、しないで旦那さんと大揉めに揉めたことなど、すっかり忘れたAさん。まさに喜色満面、世の中の幸せを独り占めしたような笑顔です。

Aさん「Kちゃん、きらら婆ちゃんに抱っこして貰う?」

きらら「コラッ!婆ちゃんとは何よ、婆ちゃんとは!(笑)」

延々、Aさんの“Kちゃん自慢”が続きます。
なるほど、自慢するだけあって、さぞかし将来は!と思う可愛さに、名付け親としても満更ではありません。

Aさん「ところで、今日は主人の“命令”で来たのですが…」

きらら「“命令”だなんて、ちょっと大袈裟じゃない?(笑)――ご主人はお元気?」

Aさん「お蔭様で元気にやってます。今朝も出勤する時に『きらら先生は、我々にとっては縁結びの神様なんだから、よろしく言ってくれ』って申しておりました(笑)」

きらら「そうよねえ。もう結婚式の日取りまで決まっている時に、些細なことで大喧嘩しちゃって…(笑)」

Aさん「真面目な話、あの時、きらら先生が仲裁してくれなかったら、主人とは結婚していなかったし、もちろんKも産まれてなかったし、本当に先生は“時の氏神”で~す。感謝、感謝(笑)」

きらら「相性はピッタリなのに、ふたりとも意地っ張りだから、結婚式直前に喧嘩、命名の時にも喧嘩、それなのにラブラブ。『夫婦喧嘩は犬も食わない』っていう言葉は、あなたちのためにあるんじゃないかと思えてくるわよ(笑)」

Aさん「その節はお世話になりました。今後ともよろしくお願いしま~す(笑)」

きらら「もう勘弁してください(笑)」

ふたりの話は脱線の連続です。

きらら「ところで、今日の本題は何?」

Aさん「この前、主人の弟が、初めて彼女を連れて来たのですが、わたしも主人もお似合いと思っているのに、義母(主人の母)が、何故か猛反対。また揉めそうな雰囲気なんです。そこで主人が、『是非、きらら先生に観て貰って来い』ということになった次第です(笑)」

どうやら、ご主人はお母様を納得させるための“理由”が必要なようです。
早速、おふたりの生年月日をお伺いして鑑定させて戴きました。

きらら「う~ん。お似合いと言いたいところだけど…」

Aさん「良くないですか?」

きらら「残念だけど、ふたりの性格はそっくり。どちらかが譲ればいいんだけど、ふたりともこうと思ったら絶対に引かないタイプだから、良いときは良いけど、一旦、歯車が狂ったら、手のつけられない“大戦争”に発展しかねない組み合わせだわね」

Aさん「義母も気が強いから分かるのかしら?」

きらら「お母様の場合は、押すときは押す、引く時は引く。柔軟性のある可愛い強気だけど、弟さんと彼女の場合は…」

Aさん「わたしたちの時のように、きらら先生に仲裁役をお願いしてもダメ?」

きらら「あなたたちの喧嘩は、誰かが止めに入ってくれるのを“期待”している、いわば“犬のじゃれあい”のようなものだけど、弟さんの場合は“ガチンコの喧嘩”だから難しいわね」

Aさん「義母は、それを見抜いているのですね」

きらら「『亀の甲より歳の功』――パソコンやスマホは苦手でも、お年寄りの経験に基づく直感力はすごいわよ。あなたも『時代が違いますから!』なんて、闇雲に反抗するのではなく、時にはお父様やお母様の意見に素直に耳を傾けるべきよ。それこそが家庭円満の秘訣だし、Aさんだって、いつの日か、お婆ちゃんになるんだから…(笑)」

きらら(9/14)