「人事異動が時の氏神」
いつまで続くコロナ禍よ!
あの手この手の対処策も効なしの状態です。
不要不急の外出自粛を要請しつつ、
それでも東京五輪は開催するとか。
しかし、今のままではオリンピックとは名ばかり。
“日本選手権大会”になるのでは、と案じられます。
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蔓延防止措置発令の最中。
午後1時のお客さまはNさん。
「こんにちは。はじめまして、Nさんに紹介してもらったNです」
「いらっしゃい。――Nさんと同じ苗字だけど、ご姉妹か、親戚?」
「いえいえ。彼女は北海道で、わたしは九州出身。全然違うんですけど、偶々、同じ大学で同じクラスになって意気投合、卒業後も職場は違うのですが、文字通りの親友。今も変わらずお付き合いしてもらっていますwww」
「何となく紹介してくれたNさんと雰囲気が似てるから、てっきり…」
「よく言われるんですよwww」
南アフリカ直送のルイボスティーを淹れて、しばしの歓談。
「ちょっと待ってね。――う~ん。おふたりの相性はぴったり。男と女なら、最高のカップルよ」
「わっ、ホントですか。――彼女とは時々、ケンカもしましたけど、すぐ仲直り、好きな食べ物とファッションはほぼ同じ、違うのは好きな男性のタイプぐらいかなwww」
さて、Nさんご自身の鑑定です。
「今日、鑑定していただきたいのは恋愛問題なんですけど…」
先ほどまでの快活な表情とは打って変わって、やや伏し目がち。
(こうした場合、多いのは“道ならぬ恋”の相談?なのですが…)
「現在、会社の上司で、奥さんのいる人とお付き合いしているのですが、ズルズルと関係を続けていると自分自身がダメになるようで別れるべきではと思いつつ、なかなか踏ん切りがつかなくて…」
男女の関係は様々。不倫とて頭からダメと決めつけることをしないわたしですが、お相手の方との鑑定結果はMAXの大凶。
「彼女(紹介者のNさん)は、『あの人は絶対ダメ。将来、奥さんと別れるなんて言ってるけど、最後は“都合のいいオンナ”で終わっちゃうわよ』って大反対なのです」
彼女は親友の名に値する慧眼の持ち主です。
「ストレートに言うけど…」
「はい。覚悟はできていますから、忖度なしでお願いします」
「彼との相性は最悪です!――このままお付き合いを続けていると、都合のいいオンナどころか、年末あたりに深刻な事態に陥ると思います。――彼とお付き合いを始めたのは、2年前ぐらいでしょ?」
「はい。ちょうど2年になります」
「2年前は、お互いに<色情★>がめぐっていた頃だったから、ひとめ惚れのように関係ができたんだけど、彼は見かけは優しそうだけど、<浮気★>をいくつも持っている多情の人です。それに家庭も守りたいし、あなたともお付き合いしたいという狡さはひと一倍。今の奥さまと別れて、あなたと結婚することは100%ないと思います。――さっきも言ったけど、10月以降のゴタゴタを考えると、その前に終止符を打つことをお奨めします」
目に涙が滲んでいます。
もう少し柔らかく言うべきだったかも…?
「わかりました。きらら先生の鑑定でスッキリしました。――ちょうど来月の人事異動で、彼は西日本の支店への転勤の内示が出るようですから、これを機にお別れするようにします」
人事異動が時の氏神。
「何事も経験です。でも別れたからといって、相手を恨んだり、ウジウジしちゃダメですよ。――それに来年の夏ごろに、あなたには<幸せの恋愛★>が巡ってきますから…。その日を楽しみに、胸を張って自分磨きに精を出してください」