「教育爺ちゃん」
一時は減少気配だったコロナ感染が再び増加、そして寒さとともにインフルエンザも。
日中はポカポカ陽気でも、陽が落ちるとちょっとブルブル。
油断大敵です。
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午後のお客さまは1年に数回、足を運んでくれるE先生です。
元大学教授、ロマンスグレーのナイスなお爺さまです。
はじめてお会いしたのは教授時代に初孫さんの命名(Rちゃん)をさせていただいて以来、かれこれ5年ほどになります。
「こんにちは。ご無沙汰です。今日もよろしくお願いします」
「お久しぶりです。E先生もお元気そうで何よりです」
いつものようにRちゃんの近況報告から始まります。
「退職後、幼稚園に通うRちゃんの送り迎えをされていると、この前おっしゃっていましたが、まだ続いているんですか?」
「前は1日おきだったんだが、今は毎日だよ。幼稚園まで歩いて20分。運動にもなるし、Rに将来、勉強が好きになるようなお話をしながら行くんだよ」
「送り迎えの道中が教室の“教育爺ちゃん”ですねwww」
「孫娘と毎朝、手をつないで歩けるなんて無上の幸せだし、教育なんて大袈裟な話でなく、孫が『何でだろう?』って疑問を持てるような質問をするんだよ」
「先生らしい微笑ましいお話ですが、Rちゃんにはどんな質問を…」
「昨日は、『ゾウさんは、藁とか草、たまに果物しか食べないに、どうしてあんなに大きな身体になるのでしょうか?』だったなwww」
「エッ。そんなこと考えたことないし、どうしてなのか。恥ずかしながら分かりませんwww」
「大抵の大人は、はゾウ大きい動物という先入観があるから『なぜ、大きいのか』なんて考えないんだが、先入観を持っていない子どもたちは、あれこれ一生懸命考えるんだよ。それこそが“本当の学問”だと、わたしは思ってるんだがねwww」
「そんなことを教えてくれる学習塾ってあります?」
「ないだろうね。いい学校に入るためには必要ないから…www」
「ところで、昨日の質問の答えは何ですか?www」
「ゾウの消化液には、草や藁の成分をたんぱく質に変える成分が含まれているからなんだが…」
「ヘ~ッ!(≧▽≦)――そうそう、先生、今日のご相談は?」
「オッ、大事なことを忘れてたよ。年末に2人目の孫が産まれる予定なんだが、また名前をお願いしたいと思って…。今度も女の子らしいんだが、産まれたらすぐに連絡するから頼むよ」
「かしこまりました!」