「『お元気ですか~』は魔法の言葉」
1週間以上もあったゴールデン・ウィークもあっと言う間に終了。
来月の祝日はなし。
7月15日の「海の日」まで連休はお預けです。
「こんにちは。お元気ですか~」
半年に1度くらい、顔を見せてくれるKさんの、いつもの挨拶です。
Kさんは陶芸の先生、いや大先生!です。
先生に初めてお会いしたのは、上野の美術館で開催された陶芸展の会場でした。
「きらら館」を設立する以前ですから、かれこれ20年になるでしょうか。
お友達に招待券をもらったので足を運んだのですが、当時のわたしは陶芸のことなどチンプンカンプン。
きっと、つまらなそうな顔で会場をウロウロしていたわたしを気の毒に思った?のでしょう。
陶器の見方を手取り足取り、イロハのイから教えて下さいました。
「まあ、親切なお爺さまだこと!」
その時は有名な先生とは露知らず、調子に乗ったわたしは、「陶芸好きのお爺さま」のつもりで、小学生レベル?の初歩的な質問を連発。
それでもK先生は、嫌な顔ひとつせず丁寧に教えてくれました。
無知ほど強いものはない⁉――恥ずかしいとともに、今となっては懐かしい思い出です。
先月初め、そのK先生が骨折で入院されたという報せが届きました。
お客さまというより「人生の師匠」――早速、元気付けに馳せ参じなければ…。
でもユーモア好きの先生には、普通のお見舞いでは能がありません。
そこで一計を案じました。
病室のドアをノック…(コン、コン)
「は~い」
「お元気ですか~」
K先生のいつもの言葉でドアを開けます。
「ありゃ、きららさん」
「お加減はいかがですか?」
「手術後の経過も順調で2週間もすれば退院できそうです。それにしても、きららさんから『お元気ですか~』って言われるとは、すっかり十八番を盗られましたなwww」
「『20年分のお元気ですか~』ですから、中身は濃かったでしょう」
「うん。今日のひと言で明日にも退院できそうだよwww」
「お元気ですか~」は魔法の言葉⁉――K先生、いつまでもお元気で、また魔法の言葉を聞かせてください。