「続・大先輩の忠告」
N子さんは電車で会った時とは見違えるようなキラキラした表情です。
きらら「こんにちは。どうぞ。」
N子さん「先日はどうもありがとうございました。無事、お見合いに行って来ました。きらら先生が背中を押してくれたお蔭で気持ちが楽になって、溌剌とした気持ちでお見合いの席に臨むことが出来ました」
きらら「そうよ。お見合いに限らず、何でも『当たって砕けろ』の気持ちが大切よ。今の時代は『女は度胸、男は愛嬌』なんだから…(笑)」
N子さん「うわっ、恰好良い言葉!…私もこれからはウジウジしないで度胸路線で行くようにしま~す(笑)」
きらら「ところで肝腎のお見合いはどうだったの?」
N子さん「写真から想像してたよりずっと好感の持てる方でしたし、相手のお母さんも気さくで何だか嬉しくなっちゃいました。…これが私と相手の生年月日です。ふたりの相性を観てもらえますか?」
N子さんが持参したメモには、ふたりの生年月日の他、生まれた時間までしっかりと書かれていました。
きらら「エ~ッ!…今年と来年はあなたにズバリの結婚運が回って来てるし、あれ~っ!…彼にも今年は結婚運が回ってきてるわ」
N子さん「嬉しいなあ。相性はどうですか?」
きらら「ちょっと待ってね。…珍しいくらいにピッタリのナイスカップルよ!」
N子さん「本当ですか、先生!」
きらら「しかし、但しが付くわよ。…あなたは御両親、特にお母様とはまるで“一卵性双生児”みたいに仲が良いはずだけど、あなたがお嫁に行った場合、相手のお母様にも同じように労わりの気持ちを持つことが出来るかしら?…あなたにそれだけの覚悟があれが、幸福度90%の結婚だわね」
N子さん「覚悟って言われても、まだ一度しかお会いしてないし…」
きらら「それぞれの御両親の生年月日は分かる?」
N子さん「私の両親は分かるけど、相手の両親までは分かりません」
きらら「じゃあ、後で電話でいいから分かったら教えてくれる」
N子さん「彼と私の両親はウマが合うかしら?」
きらら「ちょっと待ってね。…大丈夫、ピッタリ!…特にお父様との相性は実の親子みたいにバッチリだわね」
N子さん「そうすると後は向こうのご両親と私の相性だけですね」
きらら「100%の良縁というのは滅多にないけど、ひょっとしたら、この縁談はその滅多にない縁談かもしれないわよ」
N子さん「じゃあ、早速、仲人さんに調べて貰って、分かり次第、また来ます」
きらら「わざわざ来なくても、電話でいいから…」
N子さん「そんなあ。私の一生の問題なんですから(笑)直接、先生の口から聞きたいですから、また来ます。もし、相手のご両親と相性が良ければ思い切ってOKしちゃおうかしら(笑)」
N子さんは、まるでスキップするかのような軽い足取りで帰っていきました。(さらに続く)
きらら(3/9)