「K君頑張れ、目指せ関取!」
今まで多くの芸能界関係者やスポーツ選手の鑑定をさせて戴きましたが、先般、長年の友人Sさんに連れられて、『きらら館』に初めてお相撲さんがお見えになりました。
Sさんによれば、ご主人が同郷で、高校の後輩という縁で熱心に応援しているK君の将来性を「是非、きらら先生に占って貰って来い」と“厳命”された由。
大鵬・柏戸時代(古いなあ!)から相撲ファンを自称するわたしも、至近距離でお相撲さんを観るのは初めてのこと。あまりの体格の良さに圧倒されてしまいました。
Sさん「各界入りして1年ちょっと。現在は某幕内力士の付け人で、番付表の四股名も虫眼鏡で探さなければいけないほど小さな字だけど、主人は『今に絶対、関取になる逸材だ』って可愛がっているんです」
K君「よろしくお願いします」
何とも言えない椿油の甘い香りに包まれながら、生年月日を伺い、四柱推命で鑑定させて戴きました。
きらら「毎日の稽古は大変?」
K君「アマチュア時代と違って予想以上に厳しい世界ですけど、好きで入った道ですから頑張ります」
身体に似合わない小さな声ですが、真剣な目でわたしを見つめます。
きらら「ウン、いい運勢よ。――結論から言うわね。――順調に行けば、これから4年半は、とっても強い☆が廻っています。後で言けど、ふたつのことに気を付ければ、順調に番付を上げると思います」
Sさん「とすると、十両に上がれるんですね?」
きらら「十両は早ければ来年末か、再来年初め、遅くとも半ば頃には立派な関取でしょう」
K君「よし!!」
K君は、あどけなさが残る顔でVサインをしています。
Sさん「ところで、きらら先生が、先程おっしゃった“ふたつのこと”って何ですか?」
きらら「ひとつは、怪我。腰のあたりに少し嫌な★が見えます。どの世界でもそうですが、特にお相撲の場合は、身体が絶対的な資本です。しっかり稽古をして、少々のことでは壊れない強い身体を作ってください」
Sさん「K君、それみなさい。あなた、時々、あっちが痛い、こっちが痒いって稽古の手を抜いているでしょう。そんな風に横着をしていると、いつか必ず、シッペ返しを喰うんだから…」
K君「図星です。怖いですね、占いって!」
Sさん「何が図星よ。他人事みたいに感心している場合じゃないわよ!(笑)K君「はい」
きらら「稽古は絶対に嘘をつきません。相撲に限らず、不断の努力こそが成功の秘訣ですよ」
Sさん「先生、もうひとつは何ですか?」
きらら「“女難の相”です(笑)」
Sさん「あら嫌だ。K君、あなたは女誑(たら)しだって…(笑)」
きらら「K君は、それほどイケメンというわけではありませんが、女心を惹きつける“魅力☆”、つまり“色情☆”を人並み以上に持っています」
K君はニコニコ顔です。
Sさん「何をニヤニヤしてるの?いつも親方にも言われてるでしょ。 ダメよ、女の人にもてるからといってデレデレしていると、結局は自然に稽古に身が入らなくなるのだから。関取になるまでは、きらら先生の言う通り、4年半は女人禁制よ。相撲の世界に入った以上は、一に稽古、二に稽古、三、四がなくて五に稽古よ、分かった!」
K君「はい」
Sさんの剣幕にK君は頷くばかりです。
きらら「『怪我に女性』――ふたつとも日頃の稽古で克服できるものです。栄光を掴むか、掴まないかの分かれ目は、結局のところ自分自身よ」
K君「分かりました。占いは初めてですけど、何だか力が湧いてきたような気がします。ありがとうございました。頑張ります」
きらら「来年末か、再来年には、テレビに映るK君の晴れ姿を楽しみにしているわよ」
K君「きらら先生、もっとパワーが貰えるように握手してください」
頑張れ、K君!!
きらら(5/15)
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