『昭和は遥か遠くになりにけり』
本来なら風情がある季節ですが、こうも世の中が騒がしいと、とてもとてもそれどころでは…(笑)
先日、「渋谷・きらら館」設立以来、最古参のお客様のひとり・F氏が久しぶりに顔を見せてくれました。
F氏とは、同氏が当時在籍中だった大手出版社のイベントにわたしがゲストとして呼ばれてのを契機に、いわば“同窓生”のような気ごころの知れた関係だけに、会話はいつも歯に衣着せぬストレートな会話に終始するのですが、当日のメインテーマは「最近のテレビ事情」について。
――「最近のテレビは、オールド・メディア呼ばわりされて元気がありませんが…」
F「元気のなさは活字業界も似たり寄ったりだから…(笑)」
――昭和時代には、新聞と並んで世論形成に絶対的な力があったテレビですが、今やネットやSNSに押されっ放し。特に若い世代のテレビ離れは強烈です。
F「1億総情報源時代だもん、これまでは一種の約束事で提供されてきた“穏やかな情報”が面白くないのは当然だろうな」
――おまけに某テレビ局の事件の影響のせいか出演者が“委縮”、いい意味での破天荒さが消失、みんなが“いい子”になっちゃって…(笑)。
F「メディアの本質は、ドラマにしろ、娯楽番組にしろ、既存の常識に異議申し立てをする、つまり仮に遠回しであろうと、権力に対する批判精神を持つべきなのだが、それが最近は薄弱化。旅行、食べ物、スポーツなど当たり障りのない番組がほとんどだもん」
――「事実は小説よりも奇なり」なのに、大メディアはいつまでも“小説”の域に留まっています。もちろんネットやSNSの中には為にするフェイクニュースがいっぱい混じっていますから、油断も隙もありませんが…。
F 「要するに、情報の受け手が真贋を見極める目を持たないと、氾濫する真偽取り混ぜの情報に振り回されてしまうことになってしまうんだから、厄介だなあ」
――う~ん。情報の海でアップアップ状態はヤバイですね。
F「情報による洗脳こそが、これからの時代の“最大の武器”だよ」
――加えて、最近の兵器の主力はドローンによる爆撃だし、何かにつけてニンゲン臭さがありません。ニンゲン不在といえばAIですが、世の中のすべてを支配する時代になりそうな気配がします。
F「そうだな。激変する時代にテレビはどうあるべきかなんて偉そうに言う前に、よくよく考えれば、我々の知識では到底、正解なんて見つけられないわな(苦笑)」
――ニンゲンの数だけ正解がある時代にあって、まったく♪どうすりゃいいのか思案橋♫ですね。(笑)
F「時代の流れの速さは、昭和の時代を一気に、ひと昔どころか、ふた昔にしてしまったな」
――いつの間にやら、主題から大きく外れてしまいましたが…。
F「はかない結果になるも知らんが(笑)、物事の道理を少しでも見極められる努力をしないとな…(笑)」
きらら(6/15)