「大切なのは『出会いの時期』と『相性』!」
梅雨の季節。
妙に蒸し暑かったり、寒かったり――体調を崩しがちです。
くれぐれもご自愛ください。
「先生、今から行ってもいいですか?」
建設会社に勤めのAさんから久し振りの電話です。
いつもは元気一杯、弾んだ声なのに、今日の声は沈んでいます。
「何があったのかしら? ひょっとして……」
10分後、肩を落としたAさんが青白い顔でお見えになりました。
Aさん「先生~、どうしよう~?」
既に涙声です。
きらら「どうしたの、一体?――さあ、涙を拭いて。熱い珈琲を飲んで、は~い、深呼吸して…」
ひと息ついたAさんが、ようやく口を開きました。
Aさん「2時間ほど前に、彼から電話で『別れよう』って言われました」
予感的中です。
きらら「彼って、以前、言っていた…」
Aさん「はい。先生の占い通りに、彼には奥さんがいたんです。それも新婚早々の…」
Aさんの眼の下は涙で真っ黒です。
きらら「涙を拭いて。まるでパンダよ」
Aさん「先月、彼に『生理が止まった』って言った時に、慌てふためく姿を見て、嫌な気持ちがしていたのですが、案の定でした」
泣きじゃくりながら、Aさんは話を続けます。
Aさん「先生には、彼とは『相性も良くないし、何より知り合った時期が最悪。あなた以外にも女性がいるはず。お友だちのひとりとしてならともかく、深い仲になるのは×。距離を置いてお付き合いするのが賢明』と忠告されていたのに、わたしって…」
きらら「まあまあ、そんなに気を落とさないで…」
Aさん「彼のことは、わたしにとって“運命の人”と心底、信頼していたのに、こんなにもアッサリと振られるなんて…わたしって男運がないんですかね?」
きらら「そういう風に考えることがいけないの。――『失敗は成功の元』、『災い転じて福と為す』――大なり小なり、失敗は誰にでもあるもの。大切なのは、その失敗を悪いことと決めつけないことよ」
Aさん「でも…」
きらら「『でも』っていう言葉は禁句よ!――『終着駅は始発駅』――どんな悲しみ、苦しみにも真正面から向き合わなくちゃ。今回の失恋も見方を変えれば、『これ以上、深みに嵌ってはダメ!』という一種の“啓示”と考えてみてはどうかしら?」
Aさん「……」
きらら「『円い卵も切り様で四角』――古臭い言葉だけど、心の持ち方次第で、ものの見方は180度変わるもの。今回のことだって、別れる、別れないでゴチャゴチャ揉めることを考えれば、相手から切り出してくれて、かえって『良かった』と言えるんじゃない」
Aさん「『円い卵も切り様で四角』――なんか、ホッとする言葉ですね。でも…」
きらら「また『でも』って言う」
Aさん「すみません」
きらら「どんな辛い経験からも学ぶことは一杯あるものよ。――『明日は明日の風が吹く』――今の時代は『女は度胸』。ウジウジしないで、彼のことはきれいさっぱり忘れて、次は“本当の運命の人”と廻り合えるようにあなた自身を磨かなくちゃ…ね!」
Aさん「わたしに“本当の運命の人”って現われるのでしょうか?」
きらら「モチのロンよ(笑)」
Aさん「今はどんな励ましの言葉も受け付けられない心境ですが、先生の言葉で少し楽になったような気がします」
きらら「幸せな恋愛・結婚に必要なのは、ふたりの『出会いの時期と相性』――心配しなくても、来年には、必ず“運命の人”が現われますよ」
ようやくAさんの顔に血の色が戻ってきました。
Aさん「よし、その日に備えて自分自身を磨かなくっちゃ(笑)」
きらら(6/8)