「良縁を掴むのも悪縁に関わるのも“縁”次第!」
このところ、何故かプロスポーツ選手の来館が目立ちます。
もし「きらら館」が、アスリートたちの“メンタルトレーナー的存在”として頼りにされている?としたら嬉しい限りです。
今回はプロゴルファーになって2年、これから大きく羽ばたこうとしているF君です。
赤銅色の肌に白い歯――見るからにスポーツマンというイケメン青年ですが、終始うつむき加減です。
きらら「どうしたの?」
F君「あのう…」
モジモジするばかりです。
きらら「まあ、珈琲でも飲んでリラックスして…」
ひと息ついたF君、ようやく口を開きました。
F君「好きな女性が出来たのですが、僕との相性と、彼女にいつ告白したらいいのか?――それが知りたくて…」
てっきりゴルフに関する悩みでは?と想像していたのが、なんと恋愛相談です。
ゴルフとは全くの無縁どころか、ルールもからっきし。
最近になって、ようやくパー、ボギーの意味を知ったばかりなのに、専門的なことを聞かれたらどうしよう?――ハラハラドキドキしていたわたしは、思わずホッとした次第。
型通りにFクンと意中の彼女の生年月日、ふたりが出会った日をお伺いして、鑑定開始です。
F君は、わたしの手許を見つめながら、しきりに首筋の汗を拭いています。
きらら「相性はピッタリ、ふたりが知り合ったタイミングもバッチリ。もし結婚したらあなたにとって最良の伴侶になれる女性ですよ」
F君「もし告白して、断られるということはありませんか?」
きらら「そんな弱気じゃ、彼女も嫌になるわよ。ゴルフだって同じでしょ。ここで入れたらバーディが取れるかどうかの時に、そんな風に考えちゃ入らないんじゃないの。大丈夫、男らしく『お前を幸せにできるのは俺だけだ!』ぐらいの強い気持ちで告白すれば、絶対にOKアンサーが返ってくるから…」
F君な顔がパッと輝きます。
F君「本当に、本当ですか? 絶対ですか?」
きらら「ふたりは近年稀に見るナイス・カップル。きっと彼女もあなたの告白を心待ちにしているはずよ。わたしの鑑定師生命を賭けて太鼓判を押します(笑)」
F君「でも、彼女は僕より2歳も年上なんです」
きらら「どんなキッカケで誰と知り合うのか、予測不可能なのが男女の『縁』です。その『縁』に年上、年下は関係ありません!――F君が、彼女と知り合ったのも『縁』、今日、『きらら館』でわたしと出会ったのも『縁』、そしてわたしに背中を押されたのも『縁』よ」
F君「なるほど、『縁』というのは考えれば考えるほど不思議なものですね」
きらら「『縁は異なもの味なもの』――縁にまつわる言葉は、縁談・縁組・縁結び・縁定め・腐れ縁・縁切り・離縁など一杯あるけど、わたしは『良縁を掴むのも、悪縁に関わるのも“縁”次第』と付け加えたいわね」
F君「はい!」
きらら「さあ、『善は急げ』――今からでも、彼女に会って告白なさいよ」
F君「分かりました。今晩、早速連絡して、彼女に思いを届けます」
きらら「彼女のことも大切だけど、ゴルフの方はどうなの? 仕事運は『来年後半あたりから上向き』と出ているんだけど…」
F君「何回かトーナメントに出たのですが、いずれも予選落ちで、まだ決勝ラウンドに出たことはありません」
きらら「来年からだから、ひょっとして、彼女のお蔭で一人前のプロになれるのかも知れないわね?」
F君「まだ彼女が僕の告白を受け止めてくれるか、どうか分からないのに、こんなことを言うのも生意気ですが、自分のためにも、彼女のためにも、もっともっと練習して強くなれるように頑張ります」
きらら「どんなスポーツでも同じと思うけど、特にゴルフはメンタルなスポーツ。言い換えれば自分との戦いなんだから、集中力を養って早くテレビに映る選手にならなくちゃね」
F君「その前に、彼女のハートを掴むことに全力を注ぎます(笑)」
きらら「頑張ってね!」
きらら(6/22)
photo credit: Threetops Golf at Treetops Resort, Gaylord, Michigan via photopin (license)