「1歳までは肌を離さず 3歳までは手を離さず  5歳までは目を離さず」

徐々に春らしくなってきました。

ついつい薄着したくなりますが、朝晩の寒さは“健在”。

油断は禁物、冬物をクリーニングに出すのはもう少し先に…。

赤ちゃんの命名をさせていただく際、わたしは、亡き母の受け売りですが、ご両親に次の言葉を添えることにしています。

『1歳までは肌を離さず 3歳までは手を離さず 5歳までは目を離さず』

個人差はあるでしょうが、3歳ぐらいまでの、こどもの記憶はほとんどありません。
しかし、口をきくことはできなくても、肌を合わせ、手をつないでくれる親という存在は、こどもにとっては「自分を守ってくれる絶対的な味方だ」ということが生き物の「本能」として分かっているのです。

「感覚」は「言葉」より強し!――言葉を覚える以前に体で覚えた「愛されてきたという感覚」は、たとえ記憶になくても、思考回路のベースとして、後々まで影響するものです。

親の「可愛がってきた」という思いと、こどもの「可愛がられた」という思いは、一致しないことも多々あります。
言葉で表せば、どちらの言い分にも一理あるのですが、そこで生じるのが「親子の相克」です。
こどもが大きくなればなるほど、両者の溝は深刻になります。
最悪の場合、親子をめぐる殺伐とした事件になりかねません。

肌を合わせ、手をつなぎ、目を離さない――子育てに大切なのは、最初の5年、わずか5年です。

何かと大変な時代ですが、否、大変な時代だからこそ、「5年」を大切にしていただきたいと心底より願っています。

きらら(2/22)