「人生いたるところに青山あり」 ‐2-

「花の命は短くて…」

満開も束の間、

場所によってはもう散り始めているところも…。

しかしサクラの花は、なぜこうも人の心を明るくさせるのでしょうか。

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(先週の続き)

わたしは、Uさんの“ワンマン・トーク”の聞き手ですwww。

「きらら先生の鑑定を“頼り”に漠然とした思いでを追って北海道に向かいました。ひとり旅といえばロマンチックですが、実態は“家出旅”ですwww。札幌は都会のような気がしたので、どうせならまったく知らない土地ということで降り立ったのは釧路空港。ひとまず港の近くのホテルに宿を取り、レストランで食事をとっていたところ、20人ぐらいの男の人が入ってきて、急に賑やかになりました。彼らの話を聞くともなく聞いていると、どうやら酪農組合の
会合らしいということは分かったのですが、別に興味もないし、知らんぷりして食後の珈琲を飲んでいる時、その中のひとりの男性が、『ご旅行ですか? ご迷惑でなかったら横に座っていいですか?』と話しかけてきました」

冷たくなったほうじ茶をひと口すすって、話はなおも続きます。

「これが東京なら失礼と言って席を立つのですが、どうせ手持ち無沙汰。それに爽やかな笑顔が印象的だったので『どうぞ』と笑顔で返し、しばらくの間、東京時代の思い出話を中心に談笑。彼の話によると独身で、わたしより2歳年上、東京の農業大学を卒業後Uターン、現在は独身で、帯広で父親が経営する牧場で修業中とのこと。わたしにすれば旅先の話だし、どこまでが本当か分からないので、適当に相槌を打っていたのですが、帰り際に電話番号を交換して別れました」

Uさんの話しぶりから、その彼が現在のご主人では?と思ったのですが、先読みするのも野暮な話。さらに聞き手に徹します。

「翌日、わたしは網走に行こうと予定したのですが、彼から『牧場を案内したい。良ければ車で迎えに行く』と電話があり、さすがに昨日の今日のこと。あまりにも厚かましいので固辞したのですが、押し問答の末、牧場行きを了承。急遽、予定を変更して彼の家を訪問することになりました。今まで間近で牧場を見たことなどなかったわたしは、むしろ牧場見学がメインのつもりだったのですが、いざ行ってみると、まるで彼の“意中の人”を迎えるかのような、家族(ご両親、お爺ちゃん、妹さん)あげての歓待にビックリ。後で彼に『ご両親にわたしのことをどんな風に説明していたの?』と問い詰めたところ、『別に。昨日、釧路であった人だよ、と言っただけ』とナマ返事? あまりにも性急なことの運びに、“不安”になり『牧場を見物したら帰ります』と辞去を申し出たのですが、ご両親から『せっかくだから泊まっていけば』と熱心に誘われ、結局、その夜は一泊してしまいましたwww」

10年経っても心が通わない関係もあれば、1日だけでも10年来の知己になる関係もあるのが人生の不思議なところですが、すべては「縁」の持つ力、縁の為せるワザです。(以下続く)

きらら(4/7)