「果報は3ヶ月待ち」
寒い毎日。
今年も余すところ20日余り。
少しづつ師走のあわただしさが感じられます。
午後一番のお客さまは、雪の津軽からお見えになったAさん。
「遠路はるばる、ありがとうございます。青森のお客さまは初めてなのですが、誰かのご紹介ですか?」
「いいえ。ネットで偶然、きらら先生を見つけて、悩んでいるわたしを呼んでくれているような気がして…」
「そうなの~。それはそれは、ありがとうございます。――うれしい言葉に感謝して、とびっきり美味しい珈琲を淹れるわね」
挽きたての豆で珈琲を淹れます。
「うわ~っ、美味しい!」
「エヘン、真心を込めて淹れましたから…www」
相談内容は、結婚したいと思っている彼との相性です。
彼がバツイチということで、母はそうでもないのですが、父が反対。
分からず屋の父とは、顔を合わせるたびに喧嘩。
もう家を飛び出してしまおうかと思っているとのこと。
早速、彼との「結婚度数」を出します。
Aさんは固唾をのんでわたしの手許を見つめます。
「ちょうど兄と妹のような関係で、夫婦としてはピッタリ。あなたとの結婚度数は94点。わたしは大賛成よ」
「良かったあ!」
「彼とお父さんとの関係も悪くないし、バツがどうの、こうのいう時代じゃないのに、どうしてかしらねえ」
「実は、わたしの父と彼の父の勤務先が同じで、偶然にも彼の父が私の父の上司なんです。生一本の父は彼の父と相性が悪く、仕事上でよく衝突しているらしく、彼がバツイチなのを理由に、『あんな奴の息子に娘をやれるか』と言っているのです」
「う~ん。ふたりには関係のない理由で結婚に反対だなんて、ちょっと大人げないとは思うけど、地方は都会と違って人間関係が濃密だから…」
「母は、父が冷静になるまで時間をかけた方がいいのではと言うのですが…」
「待って。お父さまと彼の相性を観てみるわね。――さすがはお母さま。うん、来年の節明け(2月)にはお父さまのボルテージも下がると思うから、もう一度、トライしてみたらお父さまも折れるはずよ」
「はい。憧れのきらら先生のアドバイスです。2月には父の異動もあるようですし、彼と一緒にアタックしてみますwww」
「きっと苦笑いしながら、『結婚するのはふたりだから』なんて言いながらOKサインを出すと思うわよwww。長い人生に比べれば3ヶ月待ちなんて、あっと言う間。これを機会にふたりの愛情をさらに深めてくださいwww」
「分かりました。きらら先生のアドバイスがあれば千人力!がんばりま~す」