『鳴いたカラスがもう笑った』
暑中お見舞い申し上げます
向暑の折 呉々もご自愛ください
渋谷きらら館・スタッフ一同
「暑~い。もうヘトヘト」
ハンカチを手に、ぐったりした表情のSさん。
冷たいおしぼりと麦茶でようやくの笑顔。
「もうお化粧がグチャグチャじゃない。トイレで直してらっしゃい」
CUTE LADYに“変身”したSさん。
早速、いつもの“ワンマンショー”の始まりと思いきや…。
今日は何だか、様子が違います。
「どうしたの。彼と何かあったの?」
図星でした。
「昨夜、彼と別れました。わたしの方から別れを告げました。両親にも紹介、結婚を約束していたのに、ちょっとしたことで口論になって、売り言葉に買い言葉で、『別れましょ』って言ってしまったのです」
ここまで言って、突然の涙です。
「きらら先生には、『彼は“三国一の花婿”だし、彼にとっても、あなたは“三国一の花嫁”だから、絶対に結婚します』と太鼓判を押されたのに、こんなことになって申し訳ありません」
「わたしに謝らなくてもいいけど、本当に彼が嫌いになったの?」
「好きです、大好きです」
「彼も今頃、あなたと同じ気持ちで、どうしたらいいか悩んでいるはずよ」
「彼も…ですか?」
「先月かな、『8月初旬までは、あなたたちふたりとも、心が落ち着かない時期だから、つまらないことで衝突するかもしれないけど気をつけるのよ』って言ったはずよ」
「はい。先生には、そう言われました」
「円い卵も切り様で四角。――本音をぶつけ合うのは、とってもいいことだけど、いくら正論でも、その言い方によっては、温厚な彼でもムカッとするわよ。あなたは頑固だからwww相当、強く言ったんじゃないの?」
「はい。言い過ぎたと思っています」
涙をいっぱい溜めた目でわたしを見つめるSさん。
「もう彼と仲直りできませんか?」
「できるわよ。あなたたちは、ちょっとやそっとでは別れない縁で結ばれていますwww。――しっかり反省していればwww明日にも彼から電話があるはずよ、いや、絶対にあります。心配無用ですよ」
「ホ、ホントですか?――嬉しいなあwww」
鳴いたカラスがもう笑った。
「婚約するのは9月か10月。結婚は来年5月か6月になりそうよ」
「そんなことまで分かるんですか!――実は、別れる前には、ふたりでそう決めていたんです!」
「何事も無理をせず、彼を信じ、自分を信じ、自然な流れに乗って行けば、あなたたちは万事うまく行くんだから…」
「はい。もし、仲直りできれば、今後は素直な気持ちで彼に接して行きます」
「『もし』じゃなく、仲直りしますからwww」
「はい。肝に銘じます」
後日談。
翌々日、彼から電話があって仲直りした由。
9月に婚約することになったそうです。
はてさて、今度はどんな顔でお見えになるのやらwww。