「而今……『今』を大切に!」
「こんにちは。いいかしら?」
「はい、どうぞ。ようこそいらっしゃいました」
来られたのはオシャレなコートを着た上品な“おばあちゃん”です。
「お久し振り。わたしよ、わたし!」
ん?…はて、誰かしら?…以前、来てくれた方かしら?…どこで会った方かしら?
何となく見覚えはあるのですが、さっぱり思い出せません。(う~ん!…困ったなあ)
「あなた、まだ踊ってる?」
「エッ、ひょっとしてM先生?…ワッ、M先生ですよね!…思い出せなくてすみません」
M先生は、結婚前の私がモダンダンスを習っていた教室の先生です。
ン十年ぶりの再会です。
M先生「お互いしっかり齢を取ったわね(笑)」
きらら「すっかりご無沙汰してしまって。先生もお元気そうで何よりです」
M先生「この前、『きらら館』のHPであなたのことを見つけて、今日はデパートまで買い物に来たので、是非、会いたいと思って寄らせて貰ったのよ」
きらら「感激です。ありがとうございます。ところで、先生はまだ教室で教えていらっしゃるのですか?」
M先生「毎日のレッスンは上の娘に任せてるんだけど、『生涯現役』が私のモットー。現在も週に1度は教室に出て教えてるわよ」
きらら「ワーッ!…すごいなあ」
M先生「ダンスひと筋。人生に定年はないと思ってるの。人生は『今』の積み重ね。過去の『今』によって現在があり、現在の『今』が未来に続く。だから『今』が大切なの」
きらら「先生の辞書には老後も余生もない…脱帽です!」
M先生「まあ、お互い齢を取ったけど健康で何よりよね。あなたは私より若いんだから頑張ってよ」
きらら「先生を見習って頑張ります(笑)」
M先生「そうそう、来月初めに4人目の孫が産まれるんだけど、すくすく育つ、男らしい名前を付けて貰えるかしら?」
きらら「はい、喜んで」
「『今』を積み重ねて毎日を前向きに生きる」――教えられることばかりの2時間でした。
きらら(2/24)