「親の心 子知らず」 -2-
北京五輪が無事に閉幕。
しかし、昔はなかったスケボー競技はまるでサーカス。
歳を忘れて「凄いなあ!」とついつい声援。
フ~ッ、疲れましたwww.
ひと息入れて、改めて息子さんの職業運を占います。
対面鑑定を基本原則にするわたしにとって、本人不在であれこれ占うのは不本意ですが、Eさんの真剣な顔を見るとやむを得ません。
「本来ならば、息子さんが跡を継ぐのが普通のパターンですが、彼にその気はありません。その気がないのに無理強いするのは酷だし、場合によっては伝統ある造り酒屋をダメにしかねませんよ」
「あの子は酒屋を継ぐのがそんなに嫌なのかしら。子ども時代の素直さを考えれば、到底、信じられません」
「彼は一種の天才なのですが、天才ぶりを発揮するのは、自分だ『これだ!』と思った分野です」
「でも、そんな希望があるのなら、はっきり言えばいいのに…」
「きっと本心を打ち明ければ両親が落胆するのを知っているからでしょう。彼の優しさだと思いますよ」
「彼が進みたい分野が何なのか、占いで分かりますか?」
「工学系、それもロボットなど自動制御の分野だと思います。だから外国に飛び出したいのでは…」
暫しの間、考え込むEさん。
「そういえば、昨年来、英語で書かれた専門書や雑誌を定期購読したいと言ってましたが、ひょっとしたらあれかな?」
「かもしれませんね」
「もう息子の心には、造り酒屋を継ぐという気持ちはないのですかね。『親の心 子知らず』と言いますが、我が家の場合は、『子の心 親知らず』なのかも…。帰ったら、それとなく聞いてみたいと思います」
「でも、決して頭ごなしに『ああすべき、こうすべき』とは言わないでください。あくまで彼が自発的に本心を打ち明けるまでお待ちください」
少しハッキリ言い過ぎたのかも、またもやEさんは、暫しの沈黙。
「“持久戦”で頑張ってみますwww。――コロナが収まり次第、頃合いを見て、息子と一緒に参りますので、よろしくお願いします」