「これからの女性は男を泣かすくらいに逞しく生きなきゃ!」
閉館間際のお客様です。
「はい、大丈夫よ。どうぞ」
「実は…」
緊張のせいでしょうか、顔が青ざめています。
「占いは初めて? 今日はあなたでお終いだから、そう固くならずに…。美味しい紅茶があるけど、いかが?」
ひと息ついて、ようやくF子さんの顔に血の気が戻りました。
Fさん「私、妊娠しているのです。現在4ヶ月です。産むべきか、中絶すべきか。どうしたらいいか迷っています」
現在、ある企業にお勤めのF子さんの相談は次のようなものでした。
お腹の赤ちゃんの父親は、上司である課長に間違いない。
課長とは1年ほどのお付き合いで将来、結婚すると約束してくれた。
課長に妊娠したと告げたら「俺には関係ないから自分で処置しろ」と怒鳴られた。
態度を豹変させた課長とは別れるつもりだが、子どもは産みたい。
でも、将来のことを考えると、このまま産んでいいか、不安だ。
私はどうすればいいか、占って欲しい。
きらら「あなたは課長に家庭があることを知っていたのでしょう?」
Fさん「はい。何度かお食事に誘われているうちに、つい気を許して、以後深い関係になってしまいました」
きらら「で、今もお腹の赤ちゃんは産みたいと思ってる?」
Fさん「産みたい気持ちが強いです。中絶はしたくありません」
きらら「簡単に産むというけど、色々なことを覚悟しなくてはいけないわよ。これからの人生を女手ひとつで育てていく自信はあるの?」
F子さん「あるつもりです…」
きらら「子どもが大きくなって事情を知ったら、子どもは『何故、産んだ!』って、父親より母親を恨むかもしれないわよ。それでも産みたい気持ちは変わらない?」
Fさん「…」
きらら「決して脅しで言っているんじゃないの。あなたは自分の将来と子どもの将来の両方を冷静に考えなければいけない立場なのよ。世の中にはシングルマザーとして活躍している女性も大勢います。でも、あなたの場合、そんな生き方は参考にならないと思いますが、それでも敢えて産むというのなら、私は止めません」
F子さん「先生は、中絶を勧めるのですか?」
きらら「そうではありません。お腹の赤ちゃんのためにも、母親としての責任と自覚について、冷静に考えて貰いたいの。産む、産まないの結論は、あなた自身が出すべきだと言ってるのよ!」
Fさん「仮に産んだ場合、課長はどんな態度に出るでしょうか?」
きらら「たとえDNA鑑定で親子であると証明しても、そんな卑怯な男は、きっと最後まで『自分の子どもじゃない!』って逃げ回るでしょうね。お付き合いする相手は選ばなきゃ。いいこと、これからの女性は、男に泣かされるんじゃなくて、男を泣かすくらいに逞しく生きなければダメよ!」
Fさん「(涙)…産むか、どうか、もう一度考えてみます」
きらら「あなたはまだ若いし、とっても魅力的です。占いでは、来年半ばに生涯の伴侶となる素晴らしい男性に巡り会いますよ」
Fさん「ホントですか?」
きらら「自慢じゃないけど、恋愛・結婚鑑定は『きらら館』の十八番ですから(笑)。とにかく自暴自棄にならず、その“運命の男性”に出会う日に備えて、自分を大切にして下さいね」
Fさん「何だか、心が軽くなったような…。初対面なのに、こんなに遅くまで親身になって相談に乗って戴き、今日は本当にありがとうございました。もし、迷いが生じたらまた相談に乗ってください」
きらら「わたしで良ければ、いつでも…。頑張ってね!」
きらら(6/9)