「雨にも負けず」-宮沢賢治-
ここ数日のトップニュースはコロナばかり。
いい加減イヤになりますが、相手は目に見えない“エイリアン”だけにお手上げです。
一日も早いワクチンの完成が待たれますが、それとてもう少し先の話。
窮屈ですが、マスク着用、三蜜回避、手洗いが欠かせません。
「雨にも負けず」
雨にも負けず 風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫なからだを持ち
欲は無く 決して瞋からず 何時も静かに笑っている
一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ
あらゆる事を自分を勘定に入れずに 良く見聞きし判り そして忘れず
野原の松の林の影の 小さな萱葺きの小屋に居て
東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し 寒さの夏はオロオロ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ 誉められもせず苦にもされず
そういう者に 私はなりたい (宮沢賢治)