「悪縁契り深し」
新年早々のお客さまは、遠路はるばる、雪の東北地方から上京してくれたAさんです。
凛とした、とっても可愛いお嬢さんです。
「ようこそ。遠いところを…」
「初めまして。早くきらら先生に会いたいと去年の夏ごろから、ずっと思っていたのですが、なかなか時間がとれなくて…」
「ありがとうね。せっかく東京まで来てくれたんだから遠慮しないでいっぱい聞いてくださいね」
「はい。今日は都内のホテルで泊まりますから、聞き足りなかったら、明日もまたお邪魔しますwww」
「東京はよくいらっしゃるの?」
「今回で5回目です。新幹線が開通してからは、思うほど遠くないんですよ」
「今年は特に雪が多いんでしょ」
「いえ、毎年ですよwww。テレビでは大変そうに報道していますが、もう馴れっこですwww」
とっておきの珈琲を淹れて、F屋のカステラを添えます。
「この珈琲、美味しいですね!」
しばしの珈琲談義の後、本題に。
「どんな相談かしら?」
少し言い淀んだ後、意を決したように口を開きました。
「不倫、会社の上司との不倫で悩んでいます」
詳しく聞けば、現在お勤めしている会社の上司と不倫関係にあるのですが、Aさんにお見合いの話が持ち込まれたことで、どうすればいいか?というものです。
Aさんとお見合い相手の生年月日をお伺いして鑑定開始。
「ちょっと聞くけど、上司と不倫関係になって2年ぐらいかな?」
「はい」
「一昨年の暮れから、そういう関係になりました。でも、どうして分かるんですか?」
「Aさん自身が、そういう★回り、う~ん、新年早々なのにキツイ表現でゴメンね、『邪恋★』という、あなたにとって良くない★回りに入っていたから…」
「上司のことは大好きです。でも、このままの関係を続けていていいのか、縁談を持ってきてくれた親戚の方の手前もあるし、この際、区切りをつけるために、お見合いすべきか…」
「ストレートに言うわね。――親戚の方のことはともかく、上司との関係は絶つべきタイミングだと思います。このまま関係を続けていても、今年の4月ごろに『破局★』が巡って来ますから…」
「4月ごろですか…」
途端にAさんの顔が曇りました。
「4月」に何か、心当たりがあるようです。 (続く)