「夫婦喧嘩は犬でも食わぬ」—2—

秋分の日。

トンボ帰りでご先祖様のお墓参り。

ようやくの信州らしい秋にホッ!

束の間の休息でした。

さて、先週の続き。
日曜日、午後一番のお客さまはAさんご夫妻です。

ン?
今日のふたりは揃って柔和な表情です。
Aさんには珈琲、珈琲が苦手なご主人には日本茶を。

「お騒がせしましたが、あれからふたりでじっくり話をしまして、すっかり仲直り。新婚時代に戻ったような…ふふふ」

何が何だか…?
ご主人に雷を落とすつもりで張り切っていたのにwww拍子抜けです。
「あの日、わたしがきらら先生のところへ行って離婚の相談をしてきたと言った途端、翌日から主人の態度が変わって…」

「いやあ、家内の話を聞いて、以前お伺いした時にきらら先生に言われた『夫婦相和して ともに白髪の生えるまで』という言葉を思い出し、僕が彼女に甘え過ぎていたのです。僕の無意識な『甘え』を彼女は耐えられない『わがまま』と受け取っていたことに気がつかなかったのです」

ここまでご主人に言われては、わたしの出番はありません。

「あれからはふたりの会話の時間も増えましたし、外食にも連れていってもらったり、誕生日には指環まで買ってもらいましたのよ」

完全にオノロケ話です。

「たとえ喧嘩しても、やっぱり夫婦は話し合わなければいけませんね、先生。
今までしつこいと思っていた主人のお説教も今では会話の延長と思って、わたしも言いたいことを言うようにしたら理解が深まって…」

「初心に返るのに30年もかかるなんて不徳の致すところですが、それもこれもきらら先生のアドバイスのお蔭です」

そう言われても、わたしは何もしていないし…www

「子どもたちも、わたしたちが急に仲良くなったのを見て、『どうしたの、宝くじでも当たったの?』なんて冷やかすんですよ」

「糟糠の妻と言ってはオーバーですが、僕が大過なく会社勤めすることができたのも家内のお蔭ということがよく分かりました。本当にありがとうございました」

「いやいや、お礼を言われても…こちらこそご馳走さまですwww」

ちょっとしたボタンの掛け違いが、せっかくの「相性度数90点」を60点以下にしていた“犯人”だったわけです。
いくら気心が知れていても、いや、気心が知れているからこそ「夫婦の会話が大切だ」ということをAさんご夫妻に再認識させられました。

「他山の石」――わたしも今日から主人といっぱい会話しようっと!

きらら(9/24)