「籠に乗る人 担ぐ人 そのまた草鞋を作る人」
東京も開花宣言。
平年より9日も早いとのこと。
サクラは心をウキウキさせてくれる不思議な🌸。
葉っぱがないせいかも?
今日も無事に一日が終了しました。
そろそろ閉館にしようかな…。
ふと見ると玄関前に人影。
何だか浮かない顔の男の子。
「予約していないんですが、いいですか?」
「どうぞ。もうお終いにするところだったけど、大丈夫よ」
「すみません」
紺の背広にストライブのネクタイ。
しっかりとリクルートルックで決めていますが、覇気が感じられません。
「珈琲、飲む?」
「はい。いただきます」
「就活?」
「はい。今日も会社訪問をしてきました」
珈琲を飲んで落ち着いたのか、少し元気になったようです。
「どんな仕事に就けばいいのか、占って欲しくて…」
「その前に、あなたはどんなお仕事をしたいの?」
「本当は農業関係、野菜の種とか苗の会社に入りたいのですが…」
「ン?本当は、ということは…」
「母が大反対しているんです。母は、おじいちゃんが銀行員だったせいでしょうか、何が何でも銀行に入りなさいと…」
「だって、就職するのはあなたであって、お母さんじゃないでしょ」
「そうなんですけど…」
生年月日をお聞きして鑑定開始。
「あなたが持っているのは、コツコツと何かを研究する創造★。種とか苗の研究はピッタリだわよ。お母さんが勧める銀行員は、あなたに最も向かない職種だけど…」
「僕の選択は正しかったんですね」
「就職するのはあなたよ。そのあなたが自分自身を信じ、自分の人生は自分で決める!の心意気を持ってシャキっとしなくちゃ…。その熱意で説得すればお母さんだって分ってくれるわよ」
「そうですね」
「『世の中は 籠に乗る人 担ぐ人 そのまた草鞋を作る人』――みんなが籠に乗ろうとしたって、草鞋を作る人、籠を担ぐ人がいなきゃ無理でしょ。自分の好きなこと、やりたいことに一生懸命励んで社会に貢献する。それこそが最高の人生だと思うけどなあ」
「何だか勇気が湧いてきました」
「あなたの持っている創造★は大きいんだから、過信するぐらい自信を持って就活に臨めば大丈夫よ!」
「はい。頑張ります。内定が取れたらまた報告に来ます」
「楽しみに待ってるわよwww」