「モットーは気休め厳禁」

pen「先生、合格できました~!」

喜色満面!――J子さんが、まるでスキップでもしているかのような勢いでニコニコしながら飛び込んで来ました。

きらら「あらあら、どうしたの?」

J子さん「ようやく合格できたんです!!」

今にも倒れるのではないかと思えるほどの沈痛な顔でJ子さんが「きらら館」に見えたのは、昨年の11月でした。

J子さん「今度こそ受かると自信があったのに、今回もまた試験に落っこいちゃいました。もうどうしていいか分からなくて…。もう

聞けば、アルバイトをしながら相当に難しい国家試験に挑戦したものの2年連続で不合格。
もう諦めて田舎に帰るべきか、それとも再度、受験すべきか、という相談でした。

きらら「そんなに落ち込んでいると、せっかくの幸運も逃げてしまうわよ。陳腐な言葉だけど失敗は成功のもと。まだ若いのに2回くらい失敗したぐらいで落ち込んでたらダメじゃない。どれどれ、じゃあ鑑定してみるわね」

J子さん「先生、気休めはいいから、見込みがないならダメって言って下さいね」

きらら「自慢じゃないけど、私のモットーは『気休め厳禁』よ(笑)。生年月日は……」

J子さん「よろしくお願いします」

観れば、J子さんの来年の運勢は、特に資格試験や競争には絶対の最強運でした。

きらら「ズバリ言って、来年は100%大丈夫。太鼓判を押すわ!」

J子さん「本当ですか?」

きらら「来年はあなたの実力が最高に発揮される年よ。また落ちたらどうしようとか、余計なことを考えないで勉強すれば、必ず夢が叶うわよ。但し、あなたは毎年7~8月に体調を崩すから、あせらないで睡眠時間は十分に摂ること。いいわね!」

「はい」とは言ったものの、J子さんの表情は半信半疑です。

きらら「来年、試験の結果が出たら、また報告してね」

J子さん「はい、必ず」

それから2度ほど顔を見せたJ子さんの表情には、まさに「必勝運」「絶対運」が強く表われていました。

結果は鑑定通りの「合格」。

J子さん「本当に諦めなくて良かったと思います。先生のひと言がなかったら頑張れなかったかもしれません」

きらら「強い運勢の時に、どれくらい一生懸命になれるか。今年の合格は、運勢を活かしたあなたの努力の賜物よ。でも、これからが本当のスタート。頑張ってね!」

きらら(12/16)