「親孝行はタスキ掛けで」
コロナ騒ぎで右往左往している間にもう7月。
1年の折り返しです。
いつまで続くぬかるみぞ。
コロナ禍の早い終息を願わずにはいられません。
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『新婚さん、いらっしゃ~い』
今日のお客さまは、先日、結婚したばかりのRさん。
最近では珍しいお見合い結婚です。
「どうかよろしくお願いします」
いかにも新婚さんらしい幸せいっぱいの笑顔には、わたしも嬉しくなります。
「彼との結婚生活には何の不安もないのですが、ひとり娘としてわがままに育てられてきたせいか、舅、姑さんに対する接し方がイマイチ分からなくて…。主人は、『自然体でいいよ』と言ってくれるのですが、結婚前は赤の他人だったのが、結婚を境にお義父さん、お義母さんになるのですから、実家に居た時みたいに、天真爛漫、言いたい放題では、ちょっと拙いのではwwwと思うのですが…」
まず、Rさんと舅、姑さんの相性を鑑定。
「おふたりとも、とっても穏やかで、あなたとの相性もバッチリ。実の娘のように大事にしてくれると思います。しかし、新婚早々から言いたい放題はどうかと思う、あなたの気持ちも分かるけど、取って付けたような接し方は、かえってマイナス。肩に力を入れず、“人生の先輩”に対する敬意を忘れずに接すれば、万事上手く運ぶと思いますよ」
「それならば尚のこと、実の両親に対するように親孝行しなければいけないと思うのですが…」
「親孝行」――今の時代、滅多に耳にすることのない言葉です。
「そうね。昔から言われることだけど、親にとっては、同じ孝行でも、実の子どもよりも、(元は他人である)義理の子どもにされる孝行の方が何倍も嬉しいもの。だから、あなたはお舅、お姑さんに、ご主人はあなたのご両親に孝行する、つまり『タスキ掛けの親孝行』が効果的よ」
「なるほど、なるほど!――昔の人はいいこと言いますね(笑)。よし、明日からは、お義父さん、お義母さんを実の親と思って親孝行に励むようにします」
「わたしが育てた子どもが選んだ伴侶に間違いはなかった」と、双方の親に思わせるのも親孝行です。