「起業のススメ」

師走――カレンダーが残り1枚になりました。
コロナ禍で慌ただしかったせいか、今年の足の速さは格別でした。
終わりよければすべてよし。
来年につながる「爪痕を残す1ヶ月」にしたいものです。


コロナ禍以来、増えているのが、新卒、転職問わず「適性職業相談」です。

午後一番のお客さまは現在、大手証券会社にお勤めのA君。

勤務歴は3年。

普通なら仕事の要領もつかめ、これからという時期のはずですが、A君いわく「どうもしっくりこない。ノルマに追われる毎日で、選択が間違っていたのではないか?と、思い始めた」とのこと。

いつものように珈琲をお出しし、ひと息入れて占い開始。

「今の会社は、第一志望だった?」

「いえ。第一志望は、広告代理店でしたが、全部落ちて、ようやく採用されたのが、現在の会社です」

占いは、「広告代理店も証券会社もA君を満足させることはできない」と出ています。

「はっきり言うわね、どちらもあなたが心底、情熱を燃やせるお仕事ではありません」

「図星を指されたみたいで怖いですwww」

「地頭がいいし、とっても器用だから、どんなお仕事に就いても、それなりの成績を上げることができます。しかしA君の場合、職種云々ではなく独立心が旺盛なので、組織の一員として働くことが苦痛な星を持っています。だから、常に心のどこかに不完全燃焼の部分があるんじゃないかな」

「うわっ!――当たりすぎて、ますます怖いなあwww」

「おススメは起業です。――素直な気持ちで『僕はこれがやりたい!』と思うお仕事を自分の力で始めたら如何ですか。すべてを自分で決断しなければいけないので、あれこれ苦労はあるかと思いますが、ワクワクしながら取り組めば、きっと成功すると思います」

「そっかあ。でも、どんな業種が向いていますか?」

「人間生活の原点である衣・食・住に関係する職種だけど、それは、もうA君の心のなかでは決めてるんじゃないかしら」

「ギョッ! 占いでそこまで分かるなんて、参ったなあ(*_*))」

「その際に必要なのは、跳ぶ鳥 後を濁さず。きちんと手順を踏んで、今の会社を円満に辞めるのよ。――その時期は運勢的に7ヶ月後あたりか万事ベストのタイミングよ」

「なぜ、7ヶ月後なのですか?」

「“縁の力”というか、あなたの周りに力となってくれる人が自然な形で集まるのが、7ヶ月後あたりからだからです」

「なるほど。なんか、目の前の霧が晴れたような感じです。――ありがとうございました。退職したら、また報告にきますから是非、社名を付けてください」

「(ドンと胸を叩いて)お任せくださいwww」

きらら(12/7)