「人生到る処に青山あり」
八月、葉月。
遅まきながら、東京もやっと梅雨明け。
久しぶりのお日さまに、ちょっぴりホッ!
先週の富山県に続き、今日はお隣りの石川県からなつかしい声が届きました。
電話の主はご主人の転勤で現在は金沢市にお住いのCさんです。
「Cです、お久しぶりで~す。――東京はコロナで大変なようですが、きらら先生にはお変わりありませんか?」
「ありがとうね、おかげさまで恙なく過ごしています。――ご主人とKちゃんもお元気?」
「はい、ふたりともすこぶる元気です。Kは4月で小学1年生になりました」
「ヘ~ッ、もう1年生!――時間が経つのは早いわねえ! はじめて『きらら館』に来たときはヨチヨチ歩きだったのに…(笑)」
「金沢に来て今年で3年。今年は東京本社に戻れる予定だったのですが、会社の都合で主人の転勤は来年に延期になっちゃって…(´Д⊂グスン」
都会育ちのCさん、いかにも残念そうです。
「う~ん。でもモノは考えようよ。『人生到る処に青山あり』――あなたは環境適応力が人一倍だし、今みたいな騒がしい時期に東京に戻るのがベストか、どうか。『混乱が収束するまで金沢で頑張りなさい』という天の啓示かもしれないわよ」
「こっちの生活は寒さを除いて居心地がいいし、それもアリかなとは思うんですけど、今ひとつ踏ん切りがつかなくて…。それに隣の小松市に主人の実家があるのですが、お義父さま、お義母さまから『今の会社を辞めて実家の家業を継いだらどうか?って奨められているんです」
「わがままなあなたには苦痛かもしないけど(笑)、これもひとつの縁。たまにはお年寄りの言うことを聞くのも大事じゃないかしら。金沢はわたしも何度か行ったことがあるけど落ち着いたいい街だし、あなたにとって住みやすいと思うわよ。――Kちゃんは何て言ってるの?」
「Kはお友だちもたくさんいるし、こっちに居たいって…」
「コロナ収束後の時代は、何でもかんでも東京という考え方も変わるでしょうし、穏やかな環境で伸び伸びと勉強するのがKちゃんのオットリした性格には合ってると思うけど…」
「そうですね。東京は色んな意味で便利ですが、ゴチャゴチャしていて慌ただしいですものね」
「新幹線も走ってるし、東京だって、昔と違ってすぐだし。何より食べ物、なかでもお魚が美味しいし…(笑)」
「迷うなあ(笑)。でも久しぶりにきらら先生の声を聞いたら、何かスッキリしたような気がします。主人の転勤の件がハッキリしたら、渋谷にお邪魔しますから相談に乗ってください」
「は~い。コロナが一段落したら是非、お越しください。新しいきらら館でお待ちしていますよ。ご主人とKちゃんにもよろしくネ!」