「ガンバレ、わたしの“孫たち”よ!」
暖かいなと思ったら、翌日はブルブル。
…そういえばまだ1月。
寒いのが当たり前です。
大学入試が近いせいか、このところ受験生のご来館が目立ちます。
みんな孫の年代。
おばあちゃんになった気分です。
午後、一番のお客さまは昨年高校を卒業、予備校に通いながらT大を目指しているA君です。
イケメンで見るからに秀才。
が、ちょっと目に力がないのが気がかりです。
受験生には珈琲でなくルイボスティーを出します。
「わっ、ルイボスティーだ。僕、大好きなんです」
幼さが残る表情で美味しそうに飲んでいます。
「相談は何かしら?」。
「センター試験も終わったし、本番まで1ヶ月のこの時期にこんなことを相談するなんておかしいんですが、迷っているんです」
「受験する大学のこと?」
「いえ、大学は今の成績なら多分、合格すると思うのですが、僕にはどんな職業が向いているのか分からなくなったのです。つい最近までは物理学者になりたいと思っていたのですが、センター試験が終わったあたりから何だか違うんじゃないかと…。この迷いから脱け出すための参考にしたいので、こんなことを言っては生意気なんですが、占いから観た僕の適職を鑑定してもらいたいのです」
理路整然、19歳とは思えない的確な質問に感心しつつ鑑定開始。
「迷いは無用。何事にも自分が納得するまでコツコツと努力するA君にとって物理学者はドンピシャの適職ですよ」
「アドバイス、ありがとうございました。当初の気持ちで良かったんですね。スッキリしました。これで何の迷いもなく、目前の入試に全力を尽くすことができます」
「自信を持ってがんばってください。但し、ポカミスに注意してね」
「はい」
「これは湯島の天神様で合格祈願の念を入れた、わたし手作りのお守りです。良かったら試験場に持って行ってください。自慢じゃないけど、今までこのお守りを差し上げたお客様で不合格だった方はいないから千人力よwww」
「ありがとうございます。忘れずにカバンにぶら下げて行きます」