「“物知り博士”のこと」

残暑お見舞い申し上げます。

 

 朝夕は多少しのぎやすくなりましたが、日中はまだまだ夏。

 秋はお彼岸まで待つしかなさそうです。

1年ぶりに大ファンの「物知り博士」がご来館。

「博士」とはかれこれ10年。
元大学教授で御年88。
1年に2~3度、お孫さん、曾孫さんの命名以外、“出張講義”のために足を運んでくれるお客さまです。

「こんにちは。まだまだ暑いねえ」

「お久しぶりです。お元気そうで何よりです」

博士は、どんなに暑くても珈琲はホットです。

「さて、今日のテーマはオリンピックです。――世の中はオリンピック、オリンピックと騒がしいが、なぜオリンピックは4年に1回開かれるのか、きららさんは知ってるかな」

言われてみれば…。

「はて? 子どもの頃から4年に1回と、ずっと思い込んできましたが、そうストレートに聞かれると言葉に窮します」

「由来も知らずワイワイ騒ぐのはどうかと思うがwww、それはともかく古代ギリシャでは国内で戦争が絶えなくて国民は疲労困憊。さすがに4年に1年ぐらいは休戦しようじゃないかという声が起こり、じゃあ代わりにスポーツで覇を競おうということで始まったのがオリンピックとされているんじゃよ」

「へ~っ、戦争の代わりなんですか!」

「今じゃ、色んな種目があるけど、最初の頃は戦争に関する競技ばかりだよ」

なるほどです。

「とすると、あの聖火リレーは何ですか?」

「あれは、今年は『戦争はお休みですよ』と国内に触れて回る伝令役なんだな」

またまた、なるほどです。

「まだまだ話したいが、今日はお向かいの東急百貨店本店で孫娘とデートなんだよwww。どうせあれ買って、これも欲しいだろうが、それも爺さんの務め。ワクワクしとるんじゃよ」

喜色満面の好々爺です。

「ところで、お孫さんにも今のような“講義”をされるんですか」

「いやいや。孫たちには、『またぁ』、『うざい』と言われてしまうので…。僕の“講義”を熱心に聞いてくれるのはきららさんだけだよwww」

「それはそれは光栄ですwww」

博士、いつまでもお元気で!

きらら(8/26)