「その離婚、待った!」
4月中旬の気温の翌日は真冬。
三寒四温ならぬ一寒一温。
おまけに連休は雪の予報。
変な天候の毎日です。
午後一番のお客さまはKさん。
気のせいか、元気のない表情です。
こんな時には珈琲ではなく、温かい紅茶が最適です。
「寒かったでしょ。スダチ汁を入れたので身体が温まるわよ」
少し表情が和らいだところで…「どんな相談かしら?」
「離婚、主人と離婚しようと思って…」
「結婚して何年?」
「まる3年です」
Kさんの表情から口では離婚と言いつつ、ホンネは離婚したくないのでは?と思ったのですが、そのことはKさんには言わず型通りにおふたりの生年月日をお伺いして鑑定開始。
「結論から言うわね。――離婚しちゃダメよ」
「えっ!」
「その前に、どうして離婚しようと思ったの?」
「価値観の違いというか、少しづつ考え方にズレが出てきて、毎日の生活が楽しくないんです」
「離婚のことはご主人に話したの?」
「まだです。今夜、話そうと思っています。両親には話しましたが…」
「ご両親は何と?」
「まだ本気にしていないようですが、母は絶対にダメって。あんたみたいなわがまま娘を貰ってくれただけでもありがたいと思わないといけないって…」
Kさんに「自覚」はないようです。
「わたしもお母さまのご意見に賛成です」
「うそ~」
「おふたりの相性は91点。理想に近いカップルです。でも、少し歯車が狂っているのは、あなたのわがままのせいです。――ところで、徐々に気持ちがしっくりいかなくなったのは去年の夏ごろからじゃない?」
「そうです、そうです。――どうして分かるんですか?」
「男尊女卑を押しつけるつもりはないけど、あなた自身、もう少しご主人に尽くさなきゃ。あなたは、女王さま気分で大事にされるのが当たり前と思ってない。ご主人は優しいから面と向かって文句は言わないけど、きっと寂しい思いをしているはずよ。わがままな気持ちを半分に抑えて、明日からと言わず、今夜から姉さん女房の気持ちになってご主人に尽くしてみてください。もし1週間続けても生活が楽しくならなかったら文句を言いに来てくださいwww」
「え~っ!www…でも出来るかな?」
「あなたなら出来るわ。ご主人も、そんなあなたの変化にきっと応えてくれるはずよ」
「はい。――今夜から、きらら先生の言葉を信じて彼に尽くします」