「きらら保育園」

春のち夏。

ところによっては冬。

一転、真夏。

変な気候の毎日。

気まぐれ地球はどうなっているのでしょうか。

春風に吹かれてAさんご一行がご来館。
ご一行?
そうなんです。
Aさんは4人のお子さんのお母さまです。
上から3年生、1年生の双子の女の子。
一番下だけが男の子で幼稚園。
全員、わたしが命名させて戴いた子どもたちですから「孫」みたいに思えます。

Aさんは、わたしが百貨店の占いコーナーに出演していた時からのお馴染みさん。
今さら何を占うというわけではないのですが、故郷が遠いAさんにとっては、子育ての苦労や舅、姑さんとの葛藤、お隣さんとのお付き合いなど、日常生活から生じるストレス発散の場となっているのかもしれません。

しかし、4人の子どもたちにとっては、「きらら館」は「きらら保育園」に変身。

iPadを器用に操作して「わぁ、すごい」。
星座表を手にとって「オリオン座はどこ?」。
タロットカードを見ては、「このトランプ、変なの」。
「わたしは何の花? チューリップが好きなんだけど」。
「おばちゃん、喉が乾いた~」。
「トイレに行きたい」。

4人が4人、それぞれが好き勝手なおしゃべり。
話題はあちこちに乱反射しっ放し。
わたしは完全に保母さんです。

AさんはAさんで「ちょっと東急百貨店に買い物に行ってくるから、お願いね」。

子育ては昔取った杵柄とはいえ、寄る年波には勝てません。
とはいえ、Aさんが帰ってくるまでは責任重大です。

「ご本を読んであげようか」

「は~い」

得意の「アンパンマン」と「名探偵コナン」を朗読すること20分。
そのうち神妙な顔つきで聞き入っていた下の男の子がコックリ、コックリ。
あらら、風邪を引かせては大変。
バスタオルをかけて抱っこです。

そこへ涼しい顔で帰ってきたAさん。

「ああ、スッキリした。ひとりで歩くのって、いいわねえ。さあ、帰りましょ」

「おばちゃん、さようなら。また遊んでね~」

子どもたちの声を聞くと、腰の痛みも消えます。

「またね~」。

東京広しといえども、「保育園」に早変わりするのは「きらら館」だけかも…。

きらら(4/23)