『握手の効用!?』
沖縄が早々と梅雨入り。
東京も間もなくです。
ついつい鬱陶しいと思いがちですが、多くの植物にとってはなくてはならない季節です。
体調を崩さぬよう気を付けてください。
昨年のことです。
「先生、わたしもうダメ~」
半泣きの顔でWさんが飛び込んで来ました。
「どうしたのよ。睫毛が落ちそうだし、目の周りが“パンダ”になってるわよ」
「模試も全然だし、自信喪失100%、合格率0%。もう受験するのを諦めるしかありません」
「何、言ってるの!――ここで挫けちゃ、これからの人生、何をやっても中途半端になってしまうわよ」
「でも…」
「デモもヘチマもありません。初志貫徹あるのみです」
「……」
「今年のWさんの“合格★”の輝きは、もし今年受からなければ、もう永遠に合格できないと言ってもよいぐらい最高ですよ」
「でも…」
また「でも」とため息です。
「デモは国会の前でするものよ。試験まで、あと1ヶ月でしょ。わたしには専門的なことは分からないけど、何事も急がば回れ。焦らず、慌てず、もう一度基本に返って、今まで習ってきたことを整理してみたらどうなの?」
「本当に合格できますか?」
「Wさんの答案に合格点をつけるか、否かは、わたしでなく試験委員です。ただ、受験前から『ダメだ、自信がありません』じゃあ、せっかくの“合格★”も輝きを失って“流れ★”になってしまいますよ」
「……」
「わたしは自信を持って、『今年のWさんは合格します』と鑑定しました。占い師のわたしが言うのも変だけど、『占いは頼るものではなく、活用するもの』です。“弱い自分”を“強い自分”に変えるための“手段”のひとつとしてわたしの鑑定を利用してくれるのが、『きらら館』のモットーであり、わたしの願いなのよ」
しばし沈黙の時間が続きました。
いつもの珈琲ではなく、気分が落ち着くようにほうじ茶を淹れました。
「はい。時間はあまりありませんが、基本に返って勉強しなおしてみます。せっかく、きらら先生に背中を押してもらったんですもの、覚悟を持って頑張ります!」
「そう。その調子。それでこそWさん。“女の意地”を見せてよ!(笑)」
「先生のパワーが頭に届くように握手してください」
「いいわよ。頑張ってね!」
「はい!」
・・・・・・・・・・・
さて、そのWさん。――短答式、そして難関の論文試験も見事に突破して、今では花の公認会計士。
良かったね、Wさん!
わたしの握手も捨てたものではありませんことよ(笑)