「頑迷固陋になるべからず」

毎日報道される「豊洲市場」問題。

一体、どうなっているのでしょうか?

「政を為すは人に在り」

先人の言葉が思い出されます。

いつものようにお掃除を済ませ、いつものように珈琲を飲みながら、
そして、いつものように新聞を読んでいるときです。

入口付近でコツコツと音がします。

はて、誰かしら?

きらら「あら~、C先生。お久し振りです。もう退院されたんですか?」

Cさん「先月やっとお許しが出てな」

きらら「さあさあ、中に入ってお座りください」

Cさん「お邪魔するのは、3ヶ月ぶりかな」

きらら「そうですね。病院にお見舞いに行った時は、まだ暑かったものですね」

Cさん「遅くなったが、その節はお見舞いありがとうございました。きららさんが来てくれたお陰で早く退院できたのかもな(笑)」

柔和な顔で口にする冗談は健在です。

Cさんは御年80。

現在は某大学の名誉教授です。

現役時代には多くの賞を授与された、いわば”日本の宝”です。

Cさん「杖を使わなきゃ歩けなくなってしまって…。先に逝った家内が呼んでいるのかもしれんなあ(笑)」

きらら「いえいえ。先生には長生きしてもらわないと困りますから大事にしてくださいよ。奥様だって、きっと『もう少し、そちらでゆっくりしていてください』って仰っていますよ(笑)」

Cさん「もう、この年になると悩み事もないし、きららさんに鑑定してもらうことはないんだが、前から東急本店の本屋に来ると、『きらら館』に寄るのがローテーションになってたからなあ。今日も自然に足が向いてしまって…(笑)」

きらら「C先生なら大歓迎ですよ。いつでもお寄りください」

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C先生お好みの濃い目の珈琲を淹れました。

Cさん「う~ん、うまいねえ。『きらら館』で飲む珈琲は格別ですねえ」

珈琲を飲み終わったC先生、急に真面目な顔になって、「ところで、僕は何歳まで生きられるのか。観てもらえないかな?」

四柱推命で寿命を占うことはできます。

でも、わたしは、ポリシーとして、その方の寿命については「お迎えが来た時が寿命ですよ」と、はっきり言わないことにしています。

きらら「何をおっしゃってるんですか、C先生。まだまだ、先のことですよ。亡くなった奥様の分まで生きなきゃ!」

事実、わたしの鑑定では、C先生が天から授けられた寿命は、まだまだ先です。

Cさん「仲間たちは次々に死んでいくし、できれば無責任な政治家みたいに頑迷固陋にならないうちにポックリ逝きたいと思ってるんだけどね」

きらら「先生にはお弟子さんが沢山いらっしゃるし、まだまだやり残したことがいっぱいあるんですから頑張ってくださいよ」

それから、およそ1時間。
最近の政治から経済問題まで、C先生の”名講義”が続きました。
いつもながらの分かりやすい解説に、わたしはうなづくだけです。

Cさん「本日の講義はこれまで!――さあ、ご迷惑になるといけないから、そろそろお暇しようかな」

きらら「C先生は、『きらら館友の会』の名誉会長なんですからね。いつまでもお元気でいてくださいよ」

Cさん「また、東急に来たときに寄らせていただきます」

きらら「は~い。大歓迎ですから…。また”講義”を聞かせてくださいね(笑)」

Cさん「いいとも~!」

C先生は、ちょっと古いギャグを口にしながら上機嫌でお帰りになられました。

「頑迷固陋になるべからず」――早速、手帳にメモしました(笑)。

きらら(10/10)