『ひな祭り・頑張れAちゃん!』
♪♪灯りを点けましょ雪洞に お花を活けましょ桃の花♪♪
先週の金曜日は「ひな祭り」でした。
年に1度。
「ひな祭り」の日に必ず顔を見せてくれるのが、今をときめく人気俳優のAちゃんです。
Aちゃんに初めて会ったのは5年前のひな祭りの日でした。
丁度、予約のお客様の鑑定が終了。
一息入れていた時でした。
「今、酒屋さんのビルの前にいるんですけど、お伺いしていいでしょうか」
「はい。どうぞ。8階ですよ」
幼さが残る声だったので、エレベーターまでお迎えに行きました。
愛くるしい表情とハッとさせられる目力、そして天性の人懐っこさ。
周りの人すべてを虜にするオーラ。
お部屋が「お花畑」になったような気がしたことを今でもはっきり覚えています。
「占いは初めてですが、よろしくお願いします」
高校生でしょうか、素敵な制服を着たHちゃんがピョコンと頭を下げます。
「学校の帰り?」
「いえ。これからオーデイションを受けに行くんです」
「へえ。何のオーディションなの?」
「ある映画のオーディションですが、合格するか、どうか占って欲しくて…」
少し緊張気味です。
「分かりました。固くならずに、今淹れたところだけど珈琲、飲む?」
「いただきます」
わたしにすれば、孫の世代。
ついつい”お婆ちゃん”になったような気になってしまいます。
生年月日を聞いて鑑定を開始します。
「これが芸能界に入る人にとって一番大切な『人気★』なんだけど、凄いわね。89点よ。特に先週から来月初めにかけては96点。そして、これが『名誉★』で、う~ん、これは来年には90点を越えるわね。あと周囲の『応援★』が、これもいいわね、91点よ」
「それって100点満点ですか?」
「そうよ。96点は滅多にないんだけど、90点以上なら大抵のオーディションは合格。96点は大きな役がもらえる点数よ」
「ホ、ホントですか!」
「後は気持ちだけ。固くならずに、自然体で臨めば、今日のオーディションは100%、合格よ。頑張ってね」
決して気休めではなく、Aちゃんの合格は絶対的な確信があったから、100%という数字を口にしたのです。
「勇気を出して(きらら館に)来て良かった。さっきまでは不安だったけど、何だか勇気が湧いてきました。頑張ります」
早いもので、あれから5年。
芸能界入りのきっかけとなったオーディションに太鼓判を押しただけなのに、Aちゃんは今年も律儀に顔を見せてくれました。
頑張れ、Aちゃん!