「築地のお爺さまに感謝」
新年度です。
渋谷の街には新社会人、新入生の姿がいっぱい。
去年は見られなかったせいか、とても新鮮に映ります。
頑張れ、フレッシュマン!
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緊急事態宣言解除の翌日、年齢の頃は60代。
上品なご婦人がお越しになりました。
「はじめまして。Wと申します」
「どうぞ。きらら館へようこそ」
「きららさんでしょうか」
「あ、はい。――あのう、ご紹介でしょうか?」
「申し遅れましたが、築地の…」
ピンと来ました。
「あっ、築地のお爺さま、いやKさんでしょうか?」
「はい。Kさんとは俳句の会でご一緒させていただいているんですよ。――Kさんに数日前に産まれた初孫の名付けを相談したところ、『じゃあ、きららさんがいいよ』とおっしゃって下さり、厚かましく参上した次第です」
「それは、それは。――Kさんは、きらら館開館以来のお客様というより、わたしにとっては、あれこれ“講義”をしてくれる、それこそ先生のような存在ですよ」
一気に打ち解けた雰囲気。
とっておきの煎茶を淹れ、しばしの俳句談義。
早速、お孫さんとご両親の生年月日をお伺いして鑑定開始。
5つほどお持ちした名前の中から選ばせていただきました。
「画数といい、音の響きが最高。不肖・きららが自信を持ってお勧めします」
「ありがとうございました。早速、区役所に届けたいと思います」
その後は、コロナ下の生活様式や、早すぎる時代の移り変わりに対する驚きやグチで昭和生まれの熟女?ふたりの会話は大盛り上がり。
それもこれも築地のお爺さまのお蔭です。
きらら(4/4)