「よく見れば なずな花咲く 垣根かな」

松尾芭蕉の句です。

「なずな」とは春の七草のひとつで、ペンペン草のことです。

地味な花で、どう贔屓目に見ても美しいとは言えませんが、芭蕉は垣根の下に咲く「なずな」の何に感動したのでしょうか。

ここからは、わたしが勝手に推測した「芭蕉となずなクン」の会話です。

芭蕉「誰に言われなくても、咲くべき時がきたらきちんと咲いている『なずなクン』は偉いなあ」

なずな「いえいえ。――ボクみたいな道端にしか咲けない花に心を配ってくれる芭蕉さんみたいな方がいらっしゃるなんて、とっても幸せです」

芭蕉「人間は美しいもの、素晴らしいことだけでなく、素朴な何でもないことにも感動できる感受性を持っているんだよ」

なずな「ふ~ん。――でも、感動するとどうなるの?」

芭蕉「人間は、感動すると集中心が生まれるんだ」

なずな「確かに、心に落ち着きがなかったり、上の空の時は感動はできませんね」

芭蕉「好奇心を絶やさず、ワクワクした気持ちを持ち続けている人は、他の人が気がつかないことにも感動できるし、それが進歩の源泉になるんだよ」

なずな「なるほど!――感動は『進歩の母』なんですね」

芭蕉「これからは朝起きたときの空や雲の色、小鳥のさえずり、街路樹の葉っぱの色など、普段目にする何でもないことに感動できる感受性豊か『なずなクン』であってほしいな」

きらら(1/18)