「わたしの孫は20人!」
一時はこの世の終わりのように騒がれたコロナ騒動なのに…。
喉元を過ぎてもいないのに、まるで終息したような浮かれムードです。
でも、油断大敵。
マスクの着用と手洗いの励行は忘れないようにしてください。
ちょうど予約のお客さまの鑑定が終わったところへ来客の知らせ。
ハテ、次の予約は40分後なのに誰かしら。
「どうぞ、お入りください」
小さい女の子の手を引いています。
ハテ、どこかで会ったような気がするのですが、マスクのせいで顔がよく分かりません。
「きらら先生、ご無沙汰です。わたし、わたしで~す」
「ン? ひょっとしてNちゃん?」
確かご主人の転勤でオーストラリアにいるはずなのに…。
「はい。4年前に先生に観て貰ったNです。以前の事務所に行ったら誰もいなくて、慌ててネットを見て、こちらに伺いました。とっても明るくていいお部屋ですね」
「早いもので、もう4年になるのね」
「主人に本社から帰国命令が出て、日本に帰ってきました」
「すっかりきれいになって…。この子がKちゃん?」
「そうです。先生に名前を付けていただいたKです」
「はじめまして。きらら婆ちゃんですよ~。Kちゃんは、お幾つですか?」
「Nice meet you! My name is K. Iam 3years old!」
「あらあら、英語のごあいさつで…www。ちびっ子、バイリンガルだわねえ」
「これお土産です。オーストラリアの蜂蜜です。どうぞ召し上がってください」
「ありがとう。――ご主人もお元気?」
「お蔭さまで、すこぶる元気です。今日も一緒にお邪魔する予定だったのですが、時間が合わなくて…」
「あなたには過ぎるご主人なんだから大事にしてくださいよwww」
「わたしこそ主人に勿体ない妻ですから…www」
土産話と昔話で、あっと言う間の30分。
「それと、今、お腹に2人目を授かったのですが、産まれたらまた名前をお願いします」
「おめでとう!――合点! 腕にヨリをかけて命名させていただきますよ」
「どうかよろしくお願いします」
これまで、わたしが命名させて戴いた赤ちゃんは19人。
今度、命名すれば孫が20人!――占い師にとって嬉しい限りです。