『人間到る処青山在り』
たとえば2020年に女性の半数が50歳以上に、2024年には総人口の3分の1が65歳以上になる。――あらゆる面で、これまでの“常識”が覆されつつある時代です。
「こんなはずでは~」――将来、後悔しないために、今こそ「自分」を見つめ直す時期では…。
「きらら先生、こんにちは~」
満面の笑顔のRちゃんが飛び込んで来ました。
Rちゃんは、小学2年生。
お父さまが日本人、お母さまがアメリカ人の、とっても可愛いハーフの女の子です。
「こんにちは~。あれ、ママは?」
「ママは東急百貨店でお買い物中。わたしは、早くきらら先生に会いたいからひとりでエレベーターに乗ってきたの」
「まあ、まあwww」
Rちゃんお気に入りの水素水を出します。
「この前のバレエの発表会、素晴らしかったわよ」
「きれいなお花を贈って戴きありがとう!」
「先生も応援してるから、プリマドンナ目指してアメリカへ行っても頑張ってね」
「は~い」
数ヶ月前にご両親が離婚。
お爺さま、お婆さまが住むアメリカにお引越しです。
そこへお母さまがお見えになりました。
いつ見ても惚れ惚れするようなブロンド・ヘアーです。
(もちろん、私以上に日本語はペラペラ。為念)
「来週末、アメリカに帰ることになりました。きらら先には、離婚問題をはじめ、本当にお世話になりました」
「とんでもないわよ。わたしはちょっと背中を押しただけ。それより、調停や裁判で2年近くも…よく頑張ったわね」
「日本に来て10年以上。たくさんの人と出会いましたが、きらら先生は、わたしにとって“東京のお母さま”でした。2年間も心細さで落ち込んでいるわたしの愚痴や不安を辛抱強く聞いて戴き、とても感謝しています。わたしもこの子も日本は大好きです。この子も大きくなったら、きっと日本に来たいと言うに違いありません」
「あれこれあって離婚。帰国することになったけど、それもこれも貴重な経験よ。その経験から得た『教訓』を活かしてアメリカでも輝いてね」
「ありがとうございます。先生に教えて戴いた『縁』を大切に新しい人生を切り拓いていきたいと思います」
「そうよ、その意気。――『人間到る処青山在り』――Rちゃんのためにも頑張ってね」
「また迷ったらアメリカから電話させてもらっていいですか」
「もちろんよ。遠慮なく連絡してください」
「わたしも電話していい」
「いいわよ。お勉強もバレエもしっかり頑張るのよ」
「は~い。大きくなって日本に帰ってきたら、きらら先生のところへ一番に来るからね。それまで元気にいてね」