『惚れて10年、20年、30年…』
先週の金曜日から「プレミアム・フライデー」(プレ金)がスタート。
個人消費を促すための制度なのですが、あるデータによれば、この制度を導入した企業はわずか3%強だったとか。
広く定着するには、まだまだ時間がかかりそうです。
「こんにちは。ご無沙汰です。主人と渋谷まで来たので寄らせてもらいましたが、大丈夫かしら?」
Tさん夫婦が突然の来館です。
「あらあ、お久しぶりです。それもお揃いで…?」
「福岡の孫の入学祝いをと思って、そこの東急百貨店まで来たので…」
「確かAちゃんだったわね。もう小学校なの?早いわねえ、」
「あっという間よ。私たちが歳をとるのも無理ないわねwww。――ボ~ッと立ってないで、あなたも早く座りなさいよ」
5歳年下のTさんですが、雰囲気は姐さん女房です。
挽きたての豆で珈琲を淹れます。
「Aが産まれた時だったわね、『きらら館』にお邪魔したのは…」
「そうでしたね」
「この人が年甲斐もなく秘書だった女性を囲っているのが分かって、『絶対に離婚する』と決心。その気持ちを誰かに後押ししてもらいたくて、たまたま入ったのが『きらら館』だったのよね」
ご主人はバツの悪そうな顔でTさんの話を聞いています。
「わたしは『離婚した方が良いわよ』と言って欲しかったのに…。ところが、きららさんは涼しい顔で『血迷ったことを言ってはいけません。離婚には絶対反対です。惚れて10年、20年、30年…。あなたたちふたりは切っても切れない縁で結ばれています。あなたにはもったいない旦那さんです。一度ぐらいの過ちで離婚なんてもっての外です。雨降って地固まる。これからも惚れて、惚れて、惚れ抜いて、新婚当時の気持ちに返って添い遂げてください』とピシャリ。わたしの決意とは真逆の鑑定だったけど、きららさんの諭すような言葉に、なぜか『離婚は止めよう。主人とやり直そう』って思い直したのよ。あなた、わたしたちが今日あるのは、すべてきららさんのお蔭なのよ。ちゃんとお礼を言ってくださいな」
「今日、初めて聞きましたが、そんなことがあったんですか。ありがとうございました」
初めて、ご主人が口を開きました。
「とんでもありません。わたしは鑑定したままをお伝えしただけですよ」
「あれ以来、喧嘩らしい喧嘩をしたことはないし、主人は人が変わったみたいに優しくなって、『わたしは、こんないい主人と巡り会えて本当に幸せ』と思う毎日です」
「あらら、ごちそう様ですwww」
「僕たちを助けてくれたお礼にきららさんをお食事にご招待しなくちゃいけないな」
「いえいえ、助けただなんて…。お気持ちだけで十分ですよwww」
「遠慮しちゃダメよ。きららさんは、わたしたちにとって、お食事の1回や2回では返せないほどの大恩人なんだから…」
「ぜひ…」
「ぜひじゃないわよ。もっと感謝の気持ちを込めてお誘いしなきゃダメじゃないの」
「はい。きららさんは何がお好きですか」
まるで夫婦漫才です。
幸せを掴むためのツール!――占いの持つ不思議な力に感嘆のひと時でした。