「T子さん、いつまでも幸せに…」

結婚今年のG・Wは、前半3日、後半3日という変則的なカレンダーですが、皆さんはどんな休日をお過ごしですか。

私は1泊だけのトンボ帰りでしたが、久しぶりに帰郷。両親のお墓参りの後、農作業(畑の土起こし)に汗を流してきました。

長靴を履き、手には軍手、首にはタオル、そして目深にかぶった麦わら帽子と、恰好は一人前!?――いざ“出陣”と張り切って畑に飛び出したまでは良かったのですが、耕運機を押せば、30分もしないうちに膝がガクガク。ならばとばかりに鍬を持って畝を作れば、姿勢が悪かったのか、たちまちの腰痛。――「こんなはずでは?…昔は楽々、出来たのに~」と天を仰げども、結局は1時間余りでダウン。掌にマメを作っただけで、最初の意気込みとは裏腹の“不名誉なリタイア”となってしまいました。

さて、満身創痍?で帰郷した翌日。顔をしかめながら、肩を揉んだり、腰を叩いているところへ、赤ちゃんを抱いたT子さんが、「先生、お久しぶりで~す」と訪ねて来ました。

「T子さん?…わぁ、かわいい赤ちゃん!!…久しぶりねぇ、何年ぶりかな?」

「2年ぶりです。夫が関西に転勤になり、しばらくご無沙汰してしまいましたが、G・Wで帰郷したので、何はともあれ去年産まれた娘を見て貰おうと、夫と一緒に足を運びました。先生が独立するというのは転勤前に聞いていたのですが、場所が判らなかったのでインターネットで探して、やっと…。そうそう、YAHOO!にも出てるんですね」

沈んだ表情のT子さんが私の許へ「結婚」について相談に来たのは2010年の4月頃、丁度3年前のことでした。

「結婚したい人がいるのですが、私の両親が賛成してくれなくて迷っています。自分の気持ちに正直に彼と結婚するのがいいのか、それとも反対する親の意見に従うべきか?…他の占いでは、ふたりは合わないから結婚は止めなさいと言われたんですけど、観てもらえますか?」

型通りにふたりの生年月日を聞いて鑑定したところ…。

「凶運なんてとんでもないですよ。2人は珍しいほどにピッタリの相性。あなたは彼にとって絶対に必要な人だし、彼もまた、あなたにとって巡り合うべくして巡り合った人よ。特大の太鼓判が押せる結婚よ。自信を持って彼との恋を実らせて!!」

「そうなんですか。うれしいけど両親が…」

「こんな良縁を御両親の顔色を窺って逃がしてしまったら、あなたは一生、後悔すると思うわ。ご両親の反対だけど、特にお父様が、今は“迷いの運気”の中にいるので賛成してもらえないけれど、もう少し待てば気持ちも変わると思うから、少し時間を置いて、そうねえ、秋頃まで待って、ご両親に報告すれば、きっと違う答が返ってくるはずよ」

それからも時々、T子さんは不安気な顔をして相談に来ました。

「もう少しよ、秋になったらお父様の気持ちが変わるから…」

「だと良いのですけど…」

半年ほどは、そんな会話の繰り返しでしたが、10月某日、T子さんが喜色満面、スキップしながら飛びこんで来ました。

「先生!!…父が、父が彼との結婚に賛成してくれました。今日は、私たちの背中を押してくれた先生にお礼が言いたいと、彼と一緒に来ました。そして来週は私の両親も先生に会いたいといっているので連れてきます。良いでしょ!!」

最初はT子さんの「結婚」についての悩み相談だったのに、遂には御両親までが登場。トントン拍子に話が進み、翌年に結婚。――まるで“ホームドラマ”のような展開になってしまったことを昨日のことのように思い出します。

2年ぶりに会ったT子さんは、今やキラキラ輝く一児のママ。そして旦那さんは、前回の人事異動で“花の係長”に昇進だとか。――若いふたりが、口を揃えて「先生のアドバイスのお蔭で結婚でき、幸せな家庭を築いています」とのひと言は、私にとっては身体の節々の痛みも忘れる“うれしい言葉”です。――T子さん、いつまでも幸せにネ。

きらら(4/30)