「大反対したのは誰だっけ?」
先日、築地魚市場の老舗卸問屋・P社の役員Kさんが、帰宅途中に足を運んでくれました。
ニコニコしながら、「昨日、Aの奴から4月にもう一店舗出すことになったと、アメリカから電話があったよ。さすがは私の息子だな(笑)」
話に出たA君はKさんのご子息で、今や、アメリカ・ニューヨークでも有名な和食店の若きオーナーです。
今から5年前、Kさんからこんな依頼がありました。
Kさん「私は猛反対なんだが、ウチのひとり息子が、どうしてもニューヨークで和食のお店をやりたいと言って聞かなくて困っているんです。そこで、家内とも相談。きらら先生の占いで息子にアメリカ行きを断念するように言って貰おうということになって……誠に勝手なお願いですが、ガツンと言ってやってくれませんか」
要するに、占いを“利用”して、A君のアメリカ行きを断念させようというわけです。
う~ん、参ったなあ。これでは“インサイダー占い”になってしまいます。
きらら「とにかくA君とお会いしてみます。しかし、鑑定は鑑定です。長いお付き合いのKさんの頼みとはいえ、アメリカ行きを止めさせるということを前提にした鑑定はできません。結果は結果として、正直にA君に伝えて良いのであればお引き受けします」
Kさん「そうですよね。よしっ、鑑定結果が×であることを祈って、アメリカ行きは吉か凶か、是非とも鑑定をお願いします(フ~ッ)」
私も内心はKさんの親心に同情!?……できれば凶と出ることを願いつつ(?)翌週、A君とお会いしました。
ところが、なんと鑑定結果は、「独立心◎」「飲食店商売◎」「親元を離れてこそ◎」「時期は今年と来年。早ければ早いほど◎」「花が咲くのは3年後」。――Kさんの願望はもちろん、私の淡い期待をも粉々にするものでした(笑)。
しかし、結果がこう出た以上、正直に言うしかありません。
きらら「お父様は反対されているようですが、あなたは自分の力で人生を切り拓くことができる強運の持ち主です。私は賛成、それも大賛成です。やるなら今です。自分の信じた道を突き進んで下さい。それが結果的に親孝行につながるはずです」
A君「ありがとうございました。周囲の誰もが反対するなか、初めてきらら先生が賛成してくれました。勇気凛々、3年後を目指して頑張ります」
きらら「しかし、いくら運勢が良くても、世の中はとても移ろいやすく、不安定なものです。ましてや勝負の場所は遠く離れたアメリカです。そこで生き抜くためには、こうあるべきだ!という固定観念を捨て、頭を柔軟にして受け止めるように心掛けて下さい。迷ったことがあれば、いつでもいいから遠慮なく電話してね」
その後のA君の成功は既に述べた通りです。
5年前に大反対したのは誰だっけ?
5年前の沈痛な表情は何処へ?
過去を綺麗に忘れた?Kさんの“ゲンキンすぎる自慢話”には苦笑するしかありません。
きらら(2/3)