『手紙を書く時間』
七月も終わりが近づいてきました。
連日の暑さで、朝から蝉の大合唱です。
子どもの頃は、夏休みの一日がとても長く感じられましたが、大人になると一週間があっという間に過ぎていきます。
同じ一日なのに、不思議なものですね。(笑)
さて、最近はAIの話題を耳にしない日がありません。
文章を書いたり、絵を描いたり、質問に答えたり。
少し前までは映画の中の話だったことが、いつの間にか日常になっています。
便利な時代になったものです。
一方で、人とのやり取りはどうでしょう。
連絡はSNSで一瞬。
「了解」の二文字で会話が終わることも珍しくありません。
それは決して悪いことではありません。
急いでいる時には、とても助かります。
ただ、時々思うのです。
昔の手紙には、返信が届くまで何日もかかりました。
相手のことを考えながら便箋を選び、一文字ずつ書いて、郵便ポストへ向かう。
返事を待つ時間まで含めて、一つの会話だったような気がします。
占いのご相談でも、「誰にも本音を話せない」というお話を伺います。
SNSでは毎日のように誰かとつながっているのに、心の中はどこか孤独。
そんな時代になったのかもしれません。
AIは、これからますます賢くなるでしょう。
私たちの仕事を助け、生活を便利にしてくれるはずです。
それは、とてもありがたいことです。
けれど、人の心を温めるのは、少し効率の悪い時間なのかもしれません。
相手の話を最後まで聞くこと。
返事を急がず考えること。
顔を見て笑うこと。
遠回りに見えるそんな時間が、人と人との距離を縮めてきました。
便利さは、人間の知恵です。
でも、ぬくもりは、人間の心がつくるものです。
AIがどれほど進歩しても、誰かを思いながら書いた一通の手紙や、「大丈夫?」と掛けられた一言の温かさまでは、機械だけでは生み出せないような気がします。
この夏、もし少し時間ができたなら、普段は短いメッセージで済ませている相手に、少し長めの言葉を送ってみるのもいいかもしれません。
文字数は増えますが、心の距離は少し縮まるような気がします。


