『海水浴場にいた夏』

『海水浴場にいた夏』

明日は海の日ですね。
今では三連休の一日という印象の方も多いかもしれませんが、昔は「夏が始まる日」という気持ちがもっと強かったように思います。
ニュースでは各地の海水浴場が紹介され、「今年の人出は…」などという話題が流れると、「ああ、夏が来たなあ」と感じるものです。
もっとも、子どもの頃の海と、今の海では、ずいぶん景色が変わりました。(笑)

私が子どもの頃、昭和の海水浴場はとにかく人でいっぱいでした。
パラソルが隙間なく並び、浮き輪を持った子どもたちが走り回り、スイカを食べている家族もいれば、砂浜にラジカセを持ち込んでいる若者もいました。

今では考えられませんが、日焼けをすることが健康的だと言われ、肌を真っ黒に焼くのが夏の楽しみでもありました。
「日焼け止め」という言葉より、「サンオイル」のほうがよく聞こえていた時代です。

そんな海水浴場では、不思議と知らない人同士でも助け合っていました。
浮き輪が流されれば誰かが拾ってくれる。
迷子の子どもがいれば、近くの大人が一緒に放送を聞きに行く。
今ほど防犯意識も高くなかった時代ですから、良い悪いは別として、人との距離はずいぶん近かったように思います。

占いのご相談でも、「昔はよかったですね」というお話になることがあります。
確かに昭和には昭和の良さがありました。

けれど、思い返してみると、暑い海の家にはクーラーもなく、帰り道は何時間もの渋滞でした。
車の中で兄弟げんかが始まり、ようやく家に着いた頃には、すっかり疲れ切っていたものです。
それでも「楽しかった」という記憶だけは残っています。

人間とは不思議なものですね。
嫌だったことは少しずつ薄れ、楽しかったことだけが磨かれていく。
だから思い出というのは、美しいのかもしれません。

今年も本格的な夏が始まります。
海へ行く方も、行かない方も、暑さには十分お気をつけください。
そして、今年の夏にも、何年後かに思い出して笑えるような出来事が、一つでも増えたらいいですね。

きらら(7/19)

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