『侍精神の欠如で…』

『侍精神の欠如で…』

何が何だか、落ち着きのなさが余計、時の流れに拍車を掛けるものなのか、早くも1年の3分の1が経過しました。
こんな時間の進み方をする年は芳しくないことが多いもの。――Act Cafully!

ところで、暴れん坊大統領の関税発言ですっかりカゲが薄くなった「日本製鉄」による「USスチール」の買収問題は、今後どんな展開を見せるのでしょうか?

G・Wはいつもお孫さんたち全員とハワイ旅行と決めている「渋谷きらら館」の御意見番を自称する(笑)Kさんが「子どもの日」にお見えになりました。
Kさんは元中堅製鉄企業の出身なので、今回の問題にはうってつけと勝手に決めつけ(笑)、ご意見番の“特別聴講生”になった次第。

――今年はハワイではなかったのですか?
「いやもう歳が歳なので遠出が苦痛になって来たもんで、今年は孫を杖代わりの都内散策に変更です(笑)」

――そんなのどかな時間をお過ごしの時に不躾な問題で恐縮ですが、日本製鉄=USスチール問題はKさんの見立ては?
「結論から言えば、買収だろうと、闘士だろうと相当に難しい、仮に成功しても相当時間がかかると思うがなあ」

――経営面から見ればスンナリ決まるはずとマスコミは報道していますが…。
「経営状況だけ、すなわち数字だけを見ればその通りだが、あの会社はアメリカにとって特別な会社だからねえ」

――特別とは?
「大雑把に言えば、日本の財閥は国家の統制下に作られたものなのだが、アメリカの場合は、ロックフェラー(石油)、カーネギー(鉄鋼)、モルガン(金融)、デュポン(科学)、メロン(不動産)の5人の“民間チャンピオン”が政府を作ってきたのだが、彼らの中心的存在となったのが、世界一の鉄鋼会社となった『USスチール』なのだよ」

――「鉄は国家なり」ですね。
「しゃれた言葉を知ってるね、きららさんは」

――Kゼミの聴講生ですから(笑)。
「『USスチール』の後に誕生したのが『ゼネラルモーター』、『ゼネラルエレクトリック』、『スタンダードオイル』だよ」

――Kさんもいつもと全然違って、凄いですねえ(笑)。
「『能ある鷹は爪隠す』だよ(笑)」

――それはともかく、金銭に変えられない“アメリカの威信の元祖”を『助けてやる』という態度で臨んだ『日本製鉄』の無神経さが間違いのもと?
「そういうことだな。そもそも『日本製鉄』の母体である『八幡製鉄所』自体、『USスチール』を“師匠”としてできた会社なのだから、もっと“侍精神”で敬意を払って接すれば良かったのに…(笑)」

――なるほど。前途多難ですね!

きらら(5/11)

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