『続・童話&童謡が教えること』
やっと春と思いきや、大雪や暴風。やはり「暑さ寒さも彼岸まで」なのかも。
N先生の思い出話の続きです。
いくつものお話の中でN先生が特に力説されていたのが「一寸法師」でした。
「一寸法師」だが、よくよく考えると不思議な童話です。SF、あるいはアニメにしても実に奇想天外な物語ですよね。
縫い針の刀に、お椀の船。確かに言われてみれば童話にしては珍しい設定ですが、一体、何物語の趣旨は何のでしょう。
「今風に言えば、福祉の話なのだがな」
福祉?
「一寸法師の持っている木綿針だが、あの当時、身体の不自由の人たちだけに販売が許された商品だったんだよ」
持ち運びに便利なように小さかったから…?
「身体が不自由でも一生懸命努力、悪者たちをやっつけて、お姫様を助ける。いわばどんな困難があろうともしっかり生きろという教えです」
何か、今と違ってオシャレというか、感心するほどスマートな政策ですね。
「昨今なら、わたしが提唱しただ、ヘチマだと煩いだろうが…(笑)」
そういえば「シャボン玉」の歌も同じジャンルでしたね。
「ストレートに言わず、ワンクッション入れるという奧ゆかしさが真骨頂なんだな」
『桃太郎』にしても、『金太郎』もそうですね。
「意味不明な事件が起こる時代にこそ、こうした物語が必要なのかもな(笑)」
恐るべし、先人の知恵!
きらら(2/17)