『童話&童謡が教えること』
2月になると思い出すのはNさんです。
Nさんは著名な児童文学者で、きらら館にお見えになった時には某女子大で教鞭を執っていました。
そのNさんと初めて顔を合わせたのは10年前の2月。
「占いを信じているわけではないが、担当ゼミの教え子に『渋谷に先生と同じような考えの占い師がいる』と教えられ足を運んだ次第です」
わたしと同世代でしょうか、なかなかのナイスガイです。
「初対面で恐縮だが、3日前に生まれた二人目の孫の命名をお願いできますか。大学の教え子の”推薦”もあるので(笑)お願いします」
紹介による来館は珍しくありませんが、教え子の推薦というのは初めてです。
お孫さんの両親とそれぞれの祖父、祖母の生年月日を元に、将来の才媛間違いなしの(笑)命名を完了。
Nさんも気に入ってくれたみたいで、まずはひと安心。
「きららさんは鑑定の際、よく童話や童謡を引き合いに出すそうですが…」
童話、童謡の多くが、簡単な表現であっても、ほとんどが含蓄のある言葉で作られている”作品”であることを具体的に『一寸法師』『シャボン玉』『赤トンボ』『カラスの子』などを挙げて説明。
「いやはや、ゼミの生徒がきららさんのことを珍しい占い師として”推薦”した理由がよく分かりました(笑)。まるで、きららさんはわたしのゼミの生徒みたいですよ」
そう言われても、Nさんと会ったのは、この日が初めて。偶然の一致と言うしかありません。
縁というのは不思議なもので、以後、Nさんは多い時には月に2度、3度とご来館。
きらら館が”Nゼミの分室”になったような時期もありました。 (以下次号)
きらら(2/10)