『実るほど 頭を垂れる 稲穂かな』
――ようやく秋到来?と胸を撫で下ろしたのも束の間、また猛暑が復活。今年の秋はお休みでいきなり冬になるのではと案じています(笑)。
「しかし、季節がこうも昔と違ってくると(俳句の)”季語”なんてバラバラになてしまいそうだな(笑)」
――これも時代の変化のひとつなんですね(笑)。
時代の変化といえば先週も触れましたが、マスコミで大人気の関西某藩のお殿様も新しい時代の産物ですね。
「強い信念の持ち主というべきか(笑)、稀代の恥知らずというべきか(笑)。
『信なくば立たず』――少し前までは然るべき地位にある人物は、その地位にふさわしい人格を持つべきだと言われたものだが、新しい時代は<地位の上下>と<人格は別物>というのが常識みたいだからなあ(苦笑)」
――要するに”恥の概念”というのがなくなったわけですね。
「羞恥心を気にしなければ人生地位に見合った義務を都合よく無視、権利ばかりを主張するバカ殿様というのが時代劇にはよく出てくるが、今の時代は時代劇を真似しているのかも知らんな(笑)」
――それにしてもTV中継も入る満座で、シャアシャアと「俺は悪くない」と言い張る”神経”は、「悪いはお前たちだ」と部下に責任を押し付けるのと同じで大将にあるまじき姿勢。
だから周りにはゴマスリ用人ばかりが集まるんですね。
「然るべき地位にある人物には”法律”より”倫理的・人道的な義務”が上位にあるべきなのにそれを無視、法律云々から話を進めるんだから、もうそれだけで殿様失格だわな」
――しかし、今の時代、あんまりそれを言い張ると「不平等だ、差別だと」叩かれるのでは……。
「そんなものは強制されるものでなく、自然に滲み出るもの、人間の”風格”というものだと私は思うけどなあ」
――”風格”というのは、どうすれば身につくのでしょうか?
「う~ん。ありきたりだが、季節に合わせて『実るほど 頭を垂れる 稲穂かな』だな」