『適材適所』
「ごぶさたです。今年は創立15年。少数精鋭の5人ですが、よろしくお願いします」
新入社員の適性鑑定を依頼されて以来7年、J社のB社長がご来館。
「おかげさまで昨年も中途退職者はゼロ。どうかよろしくお願いします」
「それは、それは……」
「他社ではせっかく採用通知と入れ替わりに退職届が送ってくる新入社員が多いというのに、Bさんのところはいいわね!って羨ましがられて鼻高々です。ホント、きらら先生には感謝感謝の2文字のみですよ」
「そんなに言われると恐縮の2文字のみです(笑)」
「最初、きらら先生に採用前の人物鑑定をお願いしたところ、『B社長がいいなと思った方のみを鑑定させていただきます』って言われた時にはビックリ。
その理由を聞いたところ『企業に必要な人材は人物評価ではなく、わたしの使命はその方をどんな部門に置けば実力を発揮できるのかを鑑定することだと思っています』とおっしゃいました」
「またまた恐縮至極(笑)。どんなに優秀な人物でもオール・マイティということは余程のことがない限りあり得ません。わたしは適材適所の判断のお手伝いをさせて頂いているだけですよ」
「新入社員を6~8人ほどしか採用しない我が社みたいな中小企業にとっては、せっかく採用したのにあっさりと辞められては”大損害”。きらら先生はウチの”人事部長”です」
「それは過大評価ですよ(笑)。それだけB社長が新入社員を大切に育てているからだと思いますよ」
「きらら先生にお世話になった7年間で採用した社員は42人ですが、中途退職したのはわずかに3人。
残りの39人は、今や我が社にとって欠くべからざる存在に成長しています」
「社員は決算書に載せられることはありませんが、企業にとっては絶対的な“財産”です。
これからもその気持ちを一番にして企業経営に励んでください。本日の5人の鑑定結果は週末にお送りします」
「よろしくお願いします。天候不順の折り、きらら先生も健康にご留意ください。先生に倒れられたらJ社にとっては何にも増して大ピンチですから…(笑)」
きらら(5/20)