「今こそ 好きこそ ものの上手なれ」

昭和の時代には考えられなかったことですが、今や、多くの小学生が塾通い。

先日、モノは試しと小学4年生用の塾の問題に軽い気持ちで取り組んでみたのですが、――ムムム。

楽勝と思いきや、都立高校の入試問題より難しく、アッサリと白旗。

こんな問題をすらすら解く小学生に脱帽です。


コロナ禍の中、築地のお爺さまが足を運んでくれました。
とっておきの煎茶を淹れます。

今日も「講義」かなと期待していたところ、いつもとちょっと様子が違います。

「ウチの孫は将来、どんな仕事が向いているか、観てくれんかな」

「お孫さんというと、上のお姉ちゃんですか」

「そう。一度、此処へも中学生のころに連れてきたことがあると思うが、現在、大学に通っている孫娘だよ」

「ウェ~ッ!――もうそんなに大きくなったんですか。でも、どうしたのですか? お爺さまは、いつも自分の道は自分で決めるべし!と仰っていたのに…」

「どうやら職業を選ぶのに母親と衝突したようでワシに相談に来たのだが、イザとなったら現役を引退した悲しさ。恥ずかしながら、精神論は言えても、アップ・ツー・デートな話は皆目。ならばと日頃、若い人たちの相談に乗っているきららさんに観てもらおうと思ってなwww」

「いつもと逆ですねwww――ハイハイ、お任せくださいませ」

日頃のご愛顧に応えてwww気合を入れて鑑定開始です。

「母親は頭から『公務員になりなさい』と命令口調のようなんだが、ワシが見るところ、もっと自由な、たとえば今、本人が熱中している植物の研究者なんかが適職と思ってるんだがなあwww」

「さすがはお爺さま!――わたしの鑑定でも、お孫さんは人にモノを教えるのが得意なので、それを活かした大学の先生とか研究者がピッタリです。お母さまは安定した職業ということで公務員を勧めているのでしょうが、時代は大きく変わっています。『好きこそ ものの上手なれ』――既製概念より自分が好きな道に一心不乱に打ち込むのが、これからの生き方じゃないでしょうか」

「きららさんの鑑定に異議なし!――ワシが言うより説得力がありそうだし、近いうちに孫娘を連れてくるから直接、そう言ってくれんかなwww」

「他ならぬお爺さまの初めてのリクエスト。――かしこまりましたwww」

きらら(3/8)