「無駄の効用」

「1月は行く」とはよく言ったもの。
あっという間に今月もあと1週間。
加えて、今年はコロナによる慌ただしさもあって、
いつも以上に時の経つのが早く感じられます。

コロナ終息には、まだまだ時間がかかりそうです。
マスクに手洗いを心掛けてください。


築地のお爺さまが顔を見せてくれました。
今年初めてです。

「挨拶が遅くなったが…新年おめでとう!」

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

今日のお爺さまは黒いハンチング帽に🐄マーク入りのグレーのマスク。
いつにもましてダンディです。

「そのマスクの🐄マークは奥さまが…」

「孫娘のXmasプレゼントだよ」と相好を崩すお爺さま。

「この年齢になると嫁や娘より孫の優しさがうれしいもんだよ」

歳を重ねるごとに憎まれ口に磨きがかかっていますwww

「それはそうと、コロナは本当に世の中を変えてしまったな。当初はここまで拡大するとは思わなかったが、今や否応なく“新しい生活様式”を余儀なくされてしまったな。当時の世界の人口20億人の4分の1(5億人)が感染、その10~20%が死亡したといわれるスペイン風邪が流行ったのが、ちょうど100年前の1920年。今回は、それほどひどくはならないだろうが、『完全に終息するには3年ぐらいはかかるだろう』というのが友人の医者の見立てだ」

「3年ですか!(*_*)――医学は進歩してもウイルスには敵わないなんて…」

「こうした大規模な感染蔓延で怖いのは、命の危機はもちろんだが、人と人とのつながりが希薄になることによって生まれる不安や不信が増幅されることだと思うな」

新年早々、格調高い“お爺さま節”が続きます。

「たとえコロナが終息しても、精神的なダメージが残ることが一番怖いな。――AIの進歩やリモートワークで社会全体が合理的になることによって大切なものまで失われることを忘れてはいかんな。効率を重視、損得勘定だけで物事を進めるあまり、無駄のひと言で切り捨てられるモノの中にこそ、人間にとって不可欠な“エッセンス”が含まれているのだから…」

心を込めて淹れた煎茶をひと口飲んで、さらに独演会は続きます。(続く)

きらら(1/25)