「無事是親孝行」

♪灯りをつけましょ ボンボリに

 お花を活けましょ 桃の花~♪

早いもので弥生三月、今日はひな祭り。

春はもうすぐです。


帰宅したところへ外国航路の貨物船に乗船している息子からメール。

「変わりない? 今、どこ?」

「本日も晴天なり。今、クロアチアです」

この前のメールではトルコ。
その前はマルタ。

「日本はコロナ肺炎で大変な騒ぎのようだけど、母さんは大丈夫?」

「おかげさまで…。それよりイタリアをはじめ、ヨーロッパも大変じゃないの?」

「イタリアは先月、寄港したけど、その時は全然だったのに…。でも海の上までウイルスは飛んで来ないから大丈夫だよ」

「横浜のクルーズ船のケースもあるし…」

「僕の船が載せているのは貨物だからね」

「だって、あちこち寄に道するんでしょ」

「海の男は普段から体を鍛えているし、毎日乾布摩擦とうがいを励行してるから、ウイルスなんかに負けないよ」

「ウイルスは目に見えないんだから、油断しちゃダメよ」

「俺のことより、母さんこそ、いつまでも若くないんだから自分の心配しろよwww」

「はい、はい」

「ところでオリンピックは予定通り開催されるのかな? ちょうど、休暇中だからグッド・タイミングなんだけどな」

「どうなんだろうね? でもチケットはあるの?」

「ソフトボールを2枚。良かったら冥途の土産代わりに母さんも連れてってあげるよ」

「一緒に観に行きたいけど、冥途の土産は余計よwww」

「無事是親孝行だろ、分かってるよ。じゃあな、また…」

――――他愛ない親子の会話に「幸せ」を感じます。感謝。

きらら(3/3)