「人生はヤル気と努力」
野球のことはからっきしの私ですが、大好きだった野村監督が亡くなりました。享年84。
監督時代のウイット溢れるボヤキ、愛に溢れた解説は、野球を通じて得た「人生訓」そのものでした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌。
1月某日。
小さなハーフらしき女の子の手を引いたお客さま。
年来は30歳半ばでしょうか。
「先生、大変ご無沙汰しています。Uです」
ン? ハテ、誰かしら?
一度でもお見えになった方は覚えているわたしですが、まったく思い出せません。
「15年前、わたしが大学生の時に、五反田のデパートで先生に鑑定して戴いたのです」
15年前? 五反田?
う~ん。
懸命に記憶をたぐります。
「あ~、ひょっとして薬科大の?」
「そうです、そうです。日本で就職するか、海外に留学するか、進路に悩んでいる時に占って戴きました」
朧気ながら当時のことを徐々に思い出してきました。
「鑑定したわたしが言うのも変だけど、何と言ったの?」
「今でもはっきり覚えているのですが、きらら先生は開口一番、凛とした口調で、『迷いは禁物、海外留学をお奨めします。仕事の面でも、結婚の面でもきっと、いい結果が出ると思います』とおっしゃいました」
ようやく、はっきりと思い出しました。
「両親は大反対だったのですが、先生の言葉を百万の味方と信じて大学卒業後に渡米。初めての海外だったので苦労しましたが、向こうの大学院卒業後は製薬会社の研究所に就職、大学院時代の同級生と結婚。主人の両親も大の日本ファンで、とっても幸せな毎日を送っています。そして、この子は一粒種のJです」
将来の美人間違いなしの可愛い女の子です。
「J、先生にご挨拶なさい」
「Hello、Ms,Kirara。 I’m very glad to see You」
見事な発音です。
「Nice to meet You」
わたしも覚束ない英語で返します。
「渡米以来、今回が初めての帰国なので、日本は15年ぶり。勘当だと反対していた両親も『良かった、良かった』と涙を流して喜んでくれました。そして、何をおいてもお会いしたかったのは、悩んでいたわたしの背中を強く押してくれたきらら先生です。ネットで渋谷にいると分かって飛んできました。その節は本当にありがとうございました。改めて御礼申し上げます」
「いえいえ、すべてはあなたの努力の賜物よ。それにしても15年間、一度も帰国しないで頑張ったなんて凄いの一語。わたしの占い師人生でもはじめて出会ったスーパーウーマンだわよ」
しかも、わざわざ、わたしを探して会いに来てくれるなんて嬉しさMAX、人生万歳!
人生はヤル気と努力!――Uさん夫婦とJちゃんの前途に乾杯です!